間に入る人が重要な時代
先日、田端信太郎さんと色々と話をしてて、僕が「広告代理店不要論ってありますよね。あれはどう思いますか?」と質問したところ、田端さんの答えはこうでした。
「広告代理店はやっぱり必要なんですよ。間に入って、両方の意見を調節する人ってやっぱりすごく重要なんです。
本の編集者ってすごく必要ですよね。もちろん自分でプロデュース能力がある作家なら全部自分で書いてそれを読者にそのまま売るっていうことが出来るけど、そんな作家ってめったにいないじゃないですか。やっぱり編集者がいて、原稿やアイディアを『本』っていう形にまとめる人が必要なんですよね。
あるいはワインの輸入代理店なんかも必要だと思うんです。ワインの輸入代理店に対して『間に入っているだけで高いお金とりやがって』とは誰も言わないですよね」
確かにそうですよね。
ワインの輸入代理店さんはフランスやイタリアの現地に毎年通い、ワイン生産者と時間をかけてそのワインへの愛情を語り、たくさんテイスティングして、そして「これは日本の市場にあうし、値段的にもちょうど良い」と感じた者だけをセレクトして、輸入にかかる多くの面倒くさい手続きをクリヤーして、僕らのところに届けてくれるわけです。
編集者に関しては本当に重要さを僕はいつも感じます。例えば僕はずっと前、電子書籍で「小さいお店の始め方」みたいなのを出してみたいなと思って、色々と動いてみたのですが、全然無理でした。でも、ちゃんと出版社の編集者が、企画書を書いて、目次を作って、そして「林さん、こういう原稿を〇月〇日までに書いて下さい」と指定されて、言われるがままに原稿を渡していると、何かと「編集」してくれて『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』 http://goo.gl/rz791t が出来上がりました。ただアイディアや原稿だけがあっても本は出来ないという典型的な例だったと思います。
たぶんこれからさらにインターネットが発達して、さらにすごい量の情報が世の中にあふれてくると、なおさら、編集者や広告代理店のような、「間に入って全部を調節して、クリエイターや場所を繋げて新しいモノや流れを作る人」が重要になってくるんでしょうね。
そう考えてみると「広告代理店」とか「編集者」とか「輸入代理店」という「名前」が、「本当にやっていること」と違っているのかもしれませんね。「代理」とか「編集」とかじゃなくて、もっともっと「創造的な行為をしているような言葉」がしっくりする世の中になっているのかもしれません。
僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「どういうわけかみんなに、林くん好きだと思うよ、とオススメされてる海外旅行先ベスト3」です。
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