もし僕と妻が非日本人で東京を旅したらこんな感じかな
東京を観光旅行をしている外国人、本当に増えましたよね。
もし僕がフィリピン人とかトルコ人とかニュージーランド人といった「非日本人」だったら、絶対に「いつか東京に行ってみたいなあ」って思うし、たぶん行くと思います。
で、僕が「非日本人」だったら、東京に来て、どこに観光に行くだろうかと考えてみました。
僕と妻の「外国旅行」って仕事の都合もあって、だいたい2泊3日か、多くて3泊4日なんですね。だから、京都や鎌倉は行けません。
東京のみを楽しむと思います。
やっぱり1日目はまずベタに浅草に行くと思います。たぶん妻が「どの辺りを回ればいいか」というのをすごく下調べしてくれているので、浅草の仲見世通りを見て回って、他の商店街とかを見て、お昼はもんじゃ焼きを食べると思います。
もんじゃ焼きってたぶん非日本人にはハードルが高いと思うのですが、そういう「現地でしか食べられない変わった料理」ってとても興味があるので、僕らは行くはずです。
その後は、たぶん上野か銀座に移動すると思います。それもたぶん妻が決めていまして、僕が「上野のアメ横」みたいな場所が好きなので、そういう場所に行くか、銀座に行って、ito-yaとか和光とかにも行きそうです。
その日の夜は上野なら、目に付いた「日本人がすごく楽しそうに飲んでいる大衆居酒屋」に入ると思います。
銀座だったら、たぶん妻が「この辺りが飲食街」とかって色々と調べていて、有楽町とか新橋の方に移動して、「清潔そうで日本酒がたくさんある和食屋」を探して、雰囲気で入ります。
上野でも新橋でも、そういうお店に入ると、英語、そんなに通じないですよね。
で、そういうお店では僕が意外に積極的に手振り身振りで注文します。
妻がたぶん、「ええ! 私、カニじゃなくてエビが欲しかったのに」とかって必ず言うのですが、もちろん僕はそんな難しいクレームは言えなくて、「このカニ、美味しいよ」とかなんとか言いそうです。
さて、その「日本らしい食事」が終わって、外に出ます。僕と妻は職業柄、いろんな土地のバーに行くのが好きなのですが、上野でバーを探すのは難しいし、新橋や有楽町でもちょっと「非日本人」がフラっと入るバーってそう見あたりません。
たぶんホテルに戻って、一回シャワーを浴びて、そのホテルのバーに行くと思います。旅行中のホテルのバー、すごく好きなんです。
もちろんバーではカウンターに座ります。外国(日本ですが)のバーの棚を見るのって本当に楽しいんですよねえ。
「あの黒くて丸い日本のウイスキーのボトル、よく見かけるよね。あれ、注文してみようかなあ」とか「シャンパーニュはモエを使ってるんだ。え、この店もドンペリニヨンがメニューにのってる。どうしてなんだろう。日本でドンペリニヨンって流行ってるのかなあ」とかなんとか考えそうです。
さて、次の日です。
まず想像できるのは、妻が色々と調べてて、「伊勢丹ってところに行くよ」と言いそうな感じがします。
で、午前中に伊勢丹に行きますよね。たぶん僕は地下の食品売場で感動します。「うわー、日本ってすごいねえ。面白いなあ」ってずっと言いそうです。
次は青山原宿方面に移動します。
さて、青山辺りでランチをかねたカフェに入りたいのですが、僕らが外国旅行でカフェに入るとき、選ぶ基準は「その土地ならではのカフェ」です。
パリ風カフェとか優秀なバリスタがいるカフェって、東京では僕らは好んで行くのですが、非日本人として東京を旅行中なら「いかにも東京的なカフェ」を探します。
例えばHADEN BOOKSさんをあらかじめ知ってたら、迷わずに行くと思います。
僕としてはロンパーチッチさんやJUHAさんみたいな、本が置いてあって、ずっと店主がレコードをかけているカフェを「東京っぽい」って感じるのですが、そういうカフェって非日本人が、青山から渋谷まで歩く間に「偶然出会う」のって難しいですよね。
もしかして明治通りを歩いていてシーモアグラスさんの看板に気づいてあのビルの地下に行くかもしれません。
さて、やっと渋谷に着きました。
ところで、あなたにとって「良い街の条件」は何ですか?
「古い街並みを残してある」とか「物価が安い」とか「近くに海岸がある」とか「公園がある」とか「良い劇場がある」とか「良い美術館がある」とか「ストリートミュージシャンや大道芸人がいる」とか色々とあると思います。
僕にとって「良い街の条件」は「良いレコード屋と良い本屋と良い喫茶店と良い酒場がある」です。これに、映画館とかライブハウスとかクラブをプラスする人もいそうですが、僕にとってはこの4つが必要最低条件なんです。
で、外国も日本も全部含めて「この4つがある街」って意外と少ないんです。大体どれかが欠けるんです。
そして渋谷にはあるんですね。
そして非日本人である設定の僕は、世界で一番渋谷にレコード屋があることを日本に来る前から知っていて、渋谷に着いたらまずレコード屋に行くと思います。
知らない土地のレコード屋(CD屋も可)ってとにかく好きなんです。品ぞろえとか値段の付け方とかジャンルの分け方とか、もう見てるだけで楽しいんです。
さすがに海外旅行中なので、あんまりレコード屋では時間は潰せません。
BEAMSとかパルコ、あるいは109とかもまわるかもしれません。ドンキホーテや東急ハンズにも行くかもしれません。
そして夕食とバーです。
非日本人の僕と妻が「渋谷っぽいなあ。来てよかった」って思うはずなのはロス・バルバドスさんです。
ロス・バルバドスさん、韓国人でもブラジル人でもどんな外国人を連れていっても絶対に喜ぶんです。
でも、初めての日本旅行なら、あそこまで深い場所にはたどり着けなさそうです。
妻が「東急プラザがあった辺り」に飲み屋がいっぱい集まっているってチェックしていそうなので、あの辺に行って、日本人が楽しそうに飲んでいるお店に入りそうです。
ちなみに、「お寿司屋さんとか懐石料理みたいな高級店を予約して行かないの?」って思いましたか?
海外旅行で、そういう現地の高級なお店って何度か行ったことがあるのですが、結局あまり楽しめた記憶がなくて、「ああ、もっと大衆的なお店にして現地の一般の人たちの酔っぱらっている表情を見れば良かった」っていつも後悔するんです。だから、渋谷だと元東急プラザあたりの焼鳥屋とか、あの井の頭線の入り口近くの鰻屋に入りそうです。
その後に、Bar Musicの看板に気がついたら入るでしょうか。というのは妻がBar Musicの中村さんの選曲が大好きなんです。もしあのエレベーターにおもいきって乗れたら、僕らはBar Musicに感動しそうです。
bar bossaにはたどり着けないだろうなあって思います。そう考えるとbar bossa、今でも「アリガト」くらいしか言えない観光旅行中の外国人がよく来るのですが、あの方たちすごいですね。
以上、僕が非日本人で東京に観光旅行に来たら、でした。
※僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は銀座の蕎麦屋です。
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