流行らせたい

定年退職したお父さん達が「自分の人生を書いた自伝みたいな本」を書くのが流行っているそうですよね。

それの延長線上の発想なのですが、もしあなたの人生が映画になるとしたら、主人公のあなたの役はどの俳優に演じてもらいますか?

例えば僕の人生が映画になるとしたら、堺雅人かアナウンサーの安住紳一郎が良いって言われるんです。その二人が僕を演じたらなかなか感じが出るんじゃないかってみんなに思われるようなんです。

でも、その二人がカウンターの中で「いらっしゃいませ」って言ってるんです。なんかどうもしっくりこないですよね。で、色々と考えて、せっかく僕の映画なんだから「ちょっとくらいカッコ良すぎ」でも良いかなと思って、加瀬亮に僕の役をやってもらうのなんてどうかなって思うのですがどうでしょうか…

じゃあ僕の妻の役はやっぱり吉田羊かなあ、あるいは吉瀬美智子かな、なんて考えると楽しくないですか? じゃあ監督は、音楽は、って感じです。

これ、たまにカウンターでお客さまに「もしあなたの人生が映画になるとしたら、あなたの役はどの俳優にやってもらいますか?」って感じで質問して、周りの人と盛り上がるっていうのをやっているんですね。

で、この遊び、実は流行らせたいなと思っているのですが、全然流行らないんです。理由は「自分の役をカッコいい人にするのが恥ずかしい」のと、「みんなが知っている共通の俳優というのが意外と少なくて、『その人知らない』って感じになって盛り上がらない」っていうのらしいんです。

 ※

あるいはこういう遊びも流行らせたいなと10年以上も前から言ってるのがありまして。

例えば、1965年にビル・エヴァンスとジョアン・ジルベルトの共演アルバムを想像で制作するってものなんです。もちろん編曲はクラウス・オガーマンです。

じゃあ曲は「ドルフィン」や「ワルツ・フォー・デビー」なんかもやってもらって、って感じで曲目も決めちゃいます。

これ、面白くないですか? 文字通り「夢の共演アルバム」なんです。

こういうのいくらでも出来ますよね。ビートルズとストーンズの共演アルバムが1967年にあったらって感じです。

でもこれも全然流行らないんです。これも理由は「みんながみんなわかる共通のアーティストや曲名がない」ってことなんです。音楽の基礎知識が必要だから、そんなに盛り上がれないんです。

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あるいは「恋愛の春だけが好きな女性」っていう言葉とか、「恋愛おじさん」とかも流行らせたいなっていつも思っているのですが、どうも流行らないんです。

「サードウエーブ男子」とか「草食系男子」とかって感じで、「あのはやり言葉を作った人」って存在になりたいなと思って、しょっちゅうねらっているのですが、どうもイマヒトツなんです。

たぶん僕の感覚に「メジャー力」とか「キャッチー力」とかがないからなんだと思います。

うーん、何かそういうの作りたいんですよね。「あ、あれ流行らせたの実は僕なんです」みたいなことを言ってみたいんです…

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は台風のことです。

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