「カレーって儲かるのか?」や「お店を引退すること」を茄子おやじさんに聞く
「飲食店が成功する法則」みたいなのに、「お客様のほとんど全員が注文する名物料理があれば良い」というのはご存じでしょうか?
ありますよね。テレビで唐揚げ特集があったら必ず「あの神田の居酒屋の絶品唐揚げ」が紹介される、みたいなの。
みんなのイメージの中に常にあって、「ああ、ハヤシ・ライスと言えばあの店でしょ。え? まだ食べたことないの? ほんと美味しいよ」とかって言われるお店と名物料理。
僕、bar bossaを始める前に、「ボサノヴァのかかるバー」というコンセプトは固まっていたのですが、他に何か「あのバーに行ったら、あれを注文しなきゃ」っていう料理が必要だなってずっと考えていたんです。
あまり大きいお店をやるつもりはないので、全部自分で作れる何か「これ!」っていう料理を色々と試行錯誤してたんです。
それである日、「カレーをやろう!」って思ったんですね。
カレーってとにかくみんなが大好きだし、温めてご飯にかけるだけなので、ひとりでも出来るし、次の日でも美味しいし、カレーだ! と思ったわけです。
で、下北沢に「茄子おやじ」という有名なカレー屋さんがあるんですね。
ここ、僕がレコファンというレコード屋で働いてたとき、上司に連れてってもらったんです。
ちょうど僕もその上司も「サントラ」が好きだったのですが、その茄子おやじ、僕も上司も知らないタイトルのエンニオ・モリコーネがさりげなくかかってて、「すごい!」ってことになったんです。さらにカレーも美味しいし、これはすごいお店だと。
当時、まだカフェブームは始まる前で、「飲食店が文化発信」ってすごく珍しかったんです。
それで、「よし、茄子おやじで働いて、カレーを覚えよう」と決めて、面接を受けました。
それで「週に3日」採用になったのですが、その後、フェアグランドでバーやお酒のことも知りたくて、面接を受けたんですね。
そしたらボスの中村さんが「週3日とかはダメ。週6日びっちり出ないと、バーの仕事は覚えられない」って言われて、茄子おやじさん、断ってしまいました。
※
あのとき、茄子おやじさんで働いてたら、bar bossa、どうなっただろうと思うのですが、まあ歴史に「if」はないですよね。
さて、そんな茄子おやじさんにカフェレスでインタビューしてきました。
聞きたかったポイントは「カレー屋さんで文化発信はどれだけ意図してやったのか?」と、「カレーってビジネスとして儲かるのか?」と、今、茄子おやじさんはお店を2代目に譲ったので、「お店を2代目に譲るっていくらで譲るのか?」です。
インタビューの内容は、今、出ている「カフェレス」を読んでいただくしかないのですが、初代オーナーの阿部さん、「文化発信は全然意図したことではない」ということです。自然とそういうお客さんが集まってきて、お客さんの方からDJパーティなんかを企画してやってくれたそうです。理想的ですね。
カレーはビジネスとして儲かるのか? ですが、すごく儲かることがわかりました。どれだけ儲かるか金額、bar bossaのカウンターに来てくれたら教えます。
もう今からカフェやレストランをやめて、カレー屋さんに転向するお店、続出だと思います。もちろん茄子おやじさんは「成功例」なので、転向しても失敗するお店も続出だとは思いますが。
でもこれは2代目の西村さんの力と人柄のような気もします。そうなんです、初代阿部さんが2代目西村さんにお店を譲ったのですが、西村さんの個性が加わることでさらにお店が魅力的になってるんです。気になる方は是非、下北の茄子おやじさんに行ってみてください。
ちなみに、その西村さんが、「大阪のカレーブームはいずれは廃れる」と宣言していました。そうなんです。ブームは、バブルは、いずれは終わるんですよね。
あと、お店をやっている方、考えるのが「いつかお店を閉めなきゃいけない」ですよね。そんなとき、「このお店はいくらくらいで売れるのか?」っていうのも、お店やってると考えると思うんですね。
その辺りも詳しく聞きました。お店を閉めた老後も豊かに暮らす方法を阿部さんに色々と教わりました。詳しくは是非、カフェレスをご購読ください。飲食業をされている方なら、すごく参考になる記事が多い雑誌ですよ。これで1280円は安いです。
お酒やバーについての僕の本です。『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』 https://goo.gl/QGdp48
bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。
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