やっぱりバーが好き

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

先日のHanako for Menの渋谷特集を見てたら、僕が出てるページだけが妙に古くさいんです。なんか暗いし、生花がある感じも「夜のバー」って感じだし、他のページからすごく浮いているんです。

他のページの人たちはみんな太陽の光を浴びている感じだし、内装がナチュラルでいわゆる「ざっくり」しているんです。

それで「うちだけどうしてこんなに古くさいんだろう」ってしばらく見比べていたら、僕だけがネクタイをしていることに気がつきました。

他のお店の人たちはみんなとにかくカジュアルで、Tシャツ率が高いし、もちろんネクタイなんてしてないんです。

で、本当に僕だけかなと思って全部をチェックしたら、僕以外にネクタイをしているのは五島慶太だけでした。渋谷区の区長さえもネクタイしてません。

今は本当に「カジュアル化」が進んでて、ネクタイをしているって本当に古くさいんだなあってわかりました。

まあ20年もお店やってるから仕方ないのですが、本当に「古い側」になってしまったようなんです。

bar bossa開店当時は本当に「一番新しいお店」って雰囲気のはずで、こういう雑誌に取り上げられるときも「今、bar bossaに行ってボサノヴァ聞きながらワインを飲まないでどうする」みたいな感じだったんです(これ若い人たちに説明すると、1990年代後半にワインとボサノヴァがすごく流行りました)。

ちなみにそういう雑誌に昔取り上げられた時、違うページに「老舗の純喫茶」とか「頑固なおじさんバーテンダーがいる古いお店」なんかも紹介されることがあって、自分の店が「そっち側」になったんだなあってやっと肌感覚でわかりました。

今、本当にお酒離れが進んでいるし、開店当時に常連だったオジサマ達は定年退職しているし、開店当時によく来てた若い人たちは家庭を持って、あまり飲み歩かなくなったし、妻と何度も「お昼から夕方までのカフェにしようか」って話し合うんです。

実は先日もちょうどそんな話をして、カレーは定評があるし、お店入ったすぐの場所を「本とレコードとCD」を売る場所にして、B&Bみたいに週に1回くらい対談イベントやCD発売記念ライブなんかをやって、もう「お昼営業のカフェ」にしようかって考えてみたんです。

その方が、若くてお金がない人も簡単に来れるし、お子さま連れでも楽しんでもらえるし、代々木公園が近いから犬もありにするなんてどうだろう、レコードと本とCDも毎月オススメなのを決めて、作家やミュージシャンにサインもしてもらって、とかなんとか考えていたのですが、やっぱりバーにこだわろうって思いました。

というのは先日、bar bossaのお客様の雰囲気がすごく良い瞬間があって、マイケル・フランクスのスリーピング・ジプシーをかけたんです。

ちなみにこのアルバムは定番中の定番で、人によっては恥ずかしいくらいの「全世界の夜のバーのためのレコード」なのですが、でもやっぱりすごくはまって、自分でカウンターの中でバーテンダーをやりながら「うーん、良いバーだなあ」って思いました。

というわけで、古くさいですが、ずっとバーを続けますので、そういうのが好きな人は是非お待ちしております。

#コラム

飲食店って本当に面白いなあって感じの本を出しました。『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』 https://goo.gl/oACxGp

僕が選曲したCDです。Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa → https://goo.gl/tOKcGu

iTunesでも配信しています。→ https://goo.gl/9QJywf

ディモンシュの堀内さんがこんなツイートをしてくれました。堀内さん、ありがとうございます!

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「さらにお店どうしようかなと考えていて」です。

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