花巻そばを検索しないことと、自分にお蕎麦屋さんはできないこと
※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。
先日、あるお蕎麦屋さんのメニューに「花巻そば」というタイトルを見つけたんです。
花巻そばってどんなお蕎麦なのか知ってますか? もちろん僕は知らなくて、そういうときってお店の人に「花巻そばって何ですか?」って質問すればいいのですが、僕は「注文する気がないのに質問する」っていうのが好きじゃないんですね。だからしませんでした。
さらに、そういうときって検索すれば良いのですが、僕はあえて検索しません。
「花巻って岩手だよなあ。岩手の名産って何だろう。わかんないなあ。宮沢賢治にちなんだお蕎麦かなあ。そんなのないよなあ」とか色々と考えるのが好きなんです。
そして、そんなことを全て忘れてしまったある日、突然、誰かのエッセイかなんかで「中島庵の花巻そばは絶品だ。本物の○○をふんだんに使っていて」なんて文章をみつけて、「あ、なるほど、だから花巻なんだ」って知る瞬間が大好きなんです。
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蕎麦屋ネタばかりで申し訳ないのですが、最近、「本格派のお蕎麦屋さんではキツネ蕎麦をおいていない」ということに気がついたんですね。
例えば本格派のお蕎麦屋さんって、「かき揚げ」も「たぬき」も「冷やしそば」もないんです(関西方面の方、東京でたぬきは揚げ玉(天かす)をお蕎麦にちらしたものです)。
それらはまあ理由は想像できるのですが、「きつね」がないのってどうも不思議な感じがしませんか? 江戸時代からいなり寿司はあったはずだから、あれをひょいっとお蕎麦にのせちゃえばいいわけですからね。
でも本格派のお蕎麦屋さんにはないということは、想像するに「昔の江戸ではそんな甘く煮た油揚げをお蕎麦にのせるなんてことを誰も思いつかなかった」ってことだと思うんです。
で、僕なりに想像するに、たぶん「きつねを麺の上にのせる」ってこと自体が関西方面の発想なんじゃないかなあとよんでいます。うどんと言えば、「きつねうどん」ですしね。
そしてこれも検索すればすぐに謎は解明して、完全に僕の想像違いか、あるいは大正解なのかというのが判明するのですが、これもまた謎は謎のままで残しておきたいなあと思ってます。
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で、本当にお蕎麦ネタばかりで申し訳ないのですが、「もり」と「ざる」と「せいろ」ってメニューがありますよね。
これもそれぞれちゃんと「この名前になるまでの歴史的な理由があるんだろうなあ」とはわかっていまして、この3つの違いこそ検索すればお蕎麦好きな方たちが「熱く語っている」のは想像できるのですが、これもいつかわかる日が来るだろうなあと思って、そのままにしておきました。
すると、今は亡き杉浦日向子の『ソバ屋で憩う』という本を読んでいたら、さすが杉浦日向子、詳しく解説してくれていました。
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ところで最近、僕の文章、蕎麦屋の話が多いですね。おじさん達が定年退職後に「蕎麦打ち」にはまっちゃったり、はたまた自分でお蕎麦屋さんを始めちゃったりするのってよくありますよね。
あのおじさん達の気持ちがやっとわかってきました。
で、妻に「いずれbar bossaはお蕎麦のお店になっちゃうかもね」と言ったところ、「あなたが蕎麦打ちなんてするわけないじゃない。あの蕎麦打ちこそ男のこだわりの世界だから。こんなにこだわりのないあなたが蕎麦打ちなんて絶対にやらないよ」と言われました。確かにそうです…
JUHAの大場さんがこんなツイートをしてくれました。大場さんありがとうございます!
飲食店って本当に面白いなあって感じの本を出しました。『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』 https://goo.gl/oACxGp
bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「小説の構想を思いつきました」です。
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