美人って物怖じしない
美人に生まれるってどんな感じなんだろう、ってたまに考えます。
小さい頃に大人の男性が自分を「女」として見る「視線」がすごく気持ち悪いんじゃないかなってお父さんとしては心配になります。そうでもないのでしょうか。
あるいは大人になって、本当にすごい美人の場合って、街を歩いているとすれ違う男たち全員がジロジロ見ますよね。あれって、やっぱりすごく快感なのでしょうか。それとも慣れてしまうのでしょうか。
もし慣れてしまうとしたら、自分が老いはじめた頃に「ガタッ」と男からの視線が減る瞬間があると思うんです。そのときの絶望感ってそうとうですよね、たぶん。
ある機関がこんな実験をしたらしいんです。
男女10人ずつをしばらく同じ空間で接触させて、どういう組み合わせでカップルが出来るかっていう実験なんですけど、結果はみんながお互い自分のルックスを含めた身分相応の相手を選ぶそうなんです。
なんとなく理解できる感覚ですよね。
そんな風に考えると、美人って「すごくモテる」ってわけでもないんですよね。そんなに自分のルックスや能力に自信がない男性は最初から声をかけないんです。
そして、というか、だからこそ、すごい美人に声をかける男性ってちょっと変わっている人が多いんですよね。自分が客観的に見えてない身分不相応の男性が「すごい美人」に声をかけるんです。それは「美人」と呼ばれる方々によく聞きます。「私って、すごく変な人にモテるんです」って感じです。
じゃあ「美人」って得なんだろうか? ってよく考えてしまいます。
すごくみんなに注目されているし、ちょっとバカなところや「変な冗談も言うのよ」みたいなところを見せないと、同性の女性に嫌われそうだし、大変そうです。女性同士の嫉妬ってやっぱり怖いじゃないですか。
それを僕は「果たして美人は人生はバラ色なのか問題」と名付けているのですが、ある時、全然違う観点から見た、美人に共通する性格を見つけてしまいました。
美人って物怖じしないんです。
僕たち一般の男だったらすごくビビってしまうすごく偉い人や、すごく緊張するお洒落な場所や、内輪だけで成立している閉じたサークルなんかに、平気で入っていけるんです。
やっぱり美人って、小さい頃からみんなに受け入れられるのに慣れていると思うんです。
パーティでも合コンでも山登りでも読書会でもなんでも良いんですけど、そこに自分が参加すると「あ、マキちゃん、来てくれたんだ」って場が盛り上がるのを当然だと思っているんです。
男だけの地味なサークルに「私がこんにちはって入っていくとその男たちが浮き足立つ」という状態に慣れているんです。
女性編集者って綺麗な人が多いなあって前から気になってたんですね。
で、理由は「担当の編集者が綺麗な方が著者が男性の場合、すごく頑張るから」という単純な図式を考えていたんです。
でも最近は「あ、そうか」って気がついたんです。
編集者って色んなジャンルの人に会わなきゃいけないし、全く知らない人やすごく偉い人、面倒くさいけど原稿がどうしても欲しい人なんかにも会わなきゃいけないんですよね。
そんな時、「物怖じしない」っていうのが一番の条件なんじゃないかなって思いました。
いや、本当に美人って何が他の人と違うって、「物怖じしない」んです。そこだけが「すごく違う」んです。
僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「僕が美人だなあと思うアイドルベスト3」です。
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