老兵よ去れ
結構前のことなのですが、あるメディアである企画があったんですね。
その企画を見た感想を妻になにげなくしてみたんです。
そしたら妻が「あれ? そういう企画だったらどうして自分のところに話が来なかったんだろう? ってあなたは気にしているでしょ」って言うんです。
で、僕は「いやいや。そんなことないよ。大体、そのメディアとはそんなにおつき合いないし。うちのお店とか、自分がやっているのとかとは全然関係ない企画だと思うよ」って言ったんですね。
そしたら妻が不審そうな表情で「その企画の中心人物は誰なの? ○○さん? それとも○○さん?」って言うんです。
で、僕が「いや、○○さんでもないし、○○さんでもないんだよね。全く聞いたことない名前でなんか新しい人みたい。たぶん若い人なんじゃないかな」って答えたんです。
そしたら妻がニヤリとして、「ああ、やっぱりあなたはみっともない。その若い人に仕事をとられたと思ってるんでしょ。本当は自分だったらもっと面白く出来たのに、なんか知らない若い人でそんな才能ないみたいって嫉妬しているんでしょ」って言うんです。
なんかうちの妻、本当に怖いですよね。まさにその通りだったんです。
僕がそのメディアのその企画の話題を妻にふったあたりから「僕が嫉妬している」ってわかっていたんです。
ちなみに、ホントにその企画、別に僕に声がかかるような内容じゃないんです。
で、○○さんか、○○さんがやってたら僕としても「適任だなあ」と思っていたのですが、その二人のどちらでもなかったので、「あれれ?」って思っちゃったんです。
そしてそういう「若くて新しい才能が出てきたら、それに対して嫉妬する」のがとてもみっともないって妻が言うんです。
※
人間が嫉妬する場合って本当に色々とパターンはあると思うのですが、こういう「ここは自分の陣地」と思っていた場所に、なに食わぬ顔で新しい人が入ってきたら「カチン!」と来ますよね。
既得権益が別の人に取られるってことなんだと思います。
ああ、自分はずっと「若い側」の立場で、「誰かの仕事を奪い取る」という形ではなく、「自分が新しい市場を開拓する」という気持ちでずっとやってきたのに、いつの間にか「既得権益」を守ろうとする「老害側」になってしまったんだなあと気がつき落ち込みました。
※
あなたも「自分の陣地」だと思ってたところを若い人にとられて「カチン!」と来てませんか?
仕事だけじゃなく、遊び場とかサークルとか恋愛市場でもなんでもあると思います。
若い才能に「カチン!」と来てたらそろそろ終わりですよね。「老兵よ去れ」です。
ちょっと反省をしたので、こんな文章を書いてしまいました。
僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「若い才能への嫉妬と言えば」です。
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