９月１３日　父方の祖母の思い出

#私小説

父方の祖母の話もしたい。僕の父は長男なので、祖母は僕の実家にずっといた。でも、母はうちにいる祖母に僕を見てもらおうとはあまり考えていなかったのだと思う。理由は祖母はこんな女性だったからだ。

父方の祖母も母方の祖母同様に「満州引き揚げ組」だ。僕は両親のどちらも満州生まれだったので、それが当時の日本は普通だったんだと思っていたのだけど、結構珍しいケースなのだということを後で知った。

祖母は一度結婚して子供もいたのだが、離婚して、愛知出身の「林」という人と結婚して日本を飛び出した。なぜ祖母が離婚して、なぜ愛知の男性と再婚したのかはわからない。

最初は朝鮮総督府で働いていたらしい。朝鮮総督府でどんなことをして働いていたのか、今になってみると詳しく聞いてみたいところだが生前の祖母にそんな質問はできなかった。