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悪代官

相次ぐパワハラ、セクハラで、市議会は辞職勧告を決議。
これに応じない市長に、議会は百条委員会を設置。三月までに報告がなされる。

この間、労働組合は全職員対象のアンケートを実施。六割が市長のハラスメントを見聞きしていた。

もちろん、市長の人権意識の低さは言語道断である。しかし、問題はそこではないように思うのは私だけだろうか。

労働組合

労働組合は、なんのためにあるのか。

日本国憲法で労働者に認められている 「労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)」を保障するための法律

労働組合法

宮若市職員には公務員法により、争議権がないため人事委員会が給与の見直しをするためか、組合加入者は減少する一方のようである。

しかし、労働組合設立の目的は、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的としているもの。
マスコミに取り上げられ、市議会が声を上げるまで、市長の横暴は見ぬふりしていたのではないか。

泣く子と地頭には

江戸時代、幕府は各地に直轄地を設け奉行に統治させた。
同様に諸藩も領内の直轄地に代官を置いて統治させていた。
中には「悪代官」が居て、領民の生殺与奪を手にして私利私欲に走った事実があり、それが物語化されている。わたしには、この宮若市長がその悪代官に当たる地位のように思える。

直訴は打ち首

江戸時代は「仮名手本忠臣蔵」がそうであるように、理由の如何を問わず、触法行為には一律に厳罰という姿勢が貫かれたようだ。

武家政治の権威を守るために役人の横暴などについて「一揆」や「逃散」で対抗すること、あるいは上級の役所などに「直訴」することを厳しく禁じた。
監督不行き届きで、悪行が事実であっても首謀者は打首であったと聞く。極悪人扱いである。

そこまでして守るべきか


そのようにして何百年もの間、維持されてきた「お上」の権威がある。

今回の労組の姿勢は、未だに「お上」に逆らってはならないという、暗黙の文化が存在することを明らかにしている。

ことほど左様に


首相の暗殺で有耶無耶にされる裏金問題。国有地払下げのモリカケ問題。とかげの尻尾切りで決着を図るのは「お上」の常套手段であり、それを文化として継承しているのは、生命や生活手段の剥奪を恐れる庶民の意識改革の遅れではないのか。

選挙

現代における選挙は、公職を追われた者の「みそぎ」とも言われる。辞めても、再び選ばれたら何もなかった事になるのである。
これもまたご維新以来続く文化であろう。
価値観の多様化が著しく進み、情報共有が進んだ今、政治への無関心と言われるが、裏金を遣っても利益を得たい者と悪代官が結託する仕組みを、庶民は見限っただけのことなのだとうそぶく者もいるが、大きな間違いである。

社会改革

もっと大きな視野で社会改革を考える必要があるのだが、もう、引き返せないところまで来てしまっているのだろうか。

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