山王バースセンター無痛分娩お産レポ②(いよいよ出産編)

無痛なはずなのに予想外に壮絶な出産前夜でしたが、いよいよ出産です!お産の様子を忘れないように、ボイスメモに残していたものをほぼそのまま掲載しています。

40w3d いよいよ決戦のとき...?!

麻酔が効いているおかげで夜は眠りにつくことが出来た。。。やっぱり自然分娩にするかあんなに悩んでたのは何だったんだろって思うくらい麻酔が神からの恵に思える。。。

(元々無痛のつもりで山王バースを選んでいましたが、臨月に入ってお産の勉強をすればするほど自然分娩にするか迷うように・・。かなり迷いましたが結果的には、山王バースは夫が陣痛中に立ち会うことができないため、ひとりぼっちで陣痛に耐えるのは辛いなと思いやはり無痛に。山王バースでは年間3人くらいしか自然分娩する人がいないそうです。)

麻酔の副作用で体がかゆすぎて、夜中何度か目覚めてしまった。睡眠導入剤をお願いしていたけど、ちょうど助産師さんの交代のタイミングだったのもあり、もらえてなかった。睡眠導入剤は24時前じゃないと服用できないので時すでに遅し。睡眠導入剤は必ずもらっておいた方がいいかも。何が起こるか、わからないし。  
 
とりあえず朝まで過ごしたけど、朝方また左の陣痛を感じるようになってしまった。(体質によっては半身だけ効きづらいということもあり得ると事前の説明で麻酔科の先生から説明を受けていました。まさか自分がそれに当てはまるとは。。)

朝起きて8時位から陣痛促進剤を入れた。そうしたらどんどん陣痛が来て麻酔が効いていない左側がかなり痛い状態になってしまった。麻酔科の先生が来てくれて、麻酔の入れ直しをやってくれて、少し強いお薬をその時に入れてくれて、その時にはお腹の痛みの感覚は全くなくなった。代わりに足も動かなくなっちゃった。その後その強いお薬で効かない位の陣痛が来て左側が相変わらず痛い。かなり痛くて結構辛かったけど、昨日に比べたらちょっとはマシな気がするのでやっぱり麻酔は効いているみたいです。これ自然分娩だったらどんな痛さになるんだろうっていうのはもう想像もつかない。ちなみに麻酔科の先生は、昨日の先生も今日の先生もとてつもなく優しい。  

それでお昼位になって子宮口も全開大になって、ベビーも陣痛に合わせてちょっとずつ下に下がってきてくれている状態。ここで陣痛に合わせていきむ練習を助産師さんと始めました。麻酔が完全には効いてないので、いきむタイミングは自分で掴むことができたのは不幸中の幸い。いきんでいると痛みがなんとなく紛れるので、麻酔の効き的にはこれでちょうど良かったのかもしれない。

この時は吸引分娩とか帝王切開になることを恐れていて、力の限り行きみました。練習しすぎて本番で疲れないようにねって助産師さんに言われた。笑 こっちも結構疲れてきたから、4回に一回くらいだけいきむ練習をしてそれ以外の時はできるだけ長くて深い腹式呼吸をして赤ちゃんに酸素を送る事に集中した。ソフロロジー法だと、いきまずにも呼吸法で赤ちゃんを下にゆっくり下げる事もできるらしいので、もうちょっとソフロロジーの勉強をしておけばよかったなと思った。とりあえず陣痛がきたタイミングで腹圧をかけながら呼吸を吐いて十分に吸うというのをやってみた。

まだ練習の段階なのに、先生が助産師さんに多分吸引分娩になるから吸引の準備してくださいと言っていた。がーーーーん。なるべく吸引になりたくないなと思っていたのだが、(頭がにょきっとなったり血腫ができるのが怖くて)今は自分にできる最大限のことをするしかないという気持ちに一瞬で切り替わり、もう全力でいきんで自分の力でできるだけだそう、吸引はアシストくらいの感じになるようにもう全力で頑張ろう、と決意した。(今考えたら先生に理由をちゃんときいとけばよかったんだけど、その時はもうなんでもよくなっていて質問せず)

いよいよ本番

そうこうしているうちに、本番準備。先生は一旦別の患者さんの対応で退出したので、先生を待つ間はいきむの中止。数分後、満を辞して先生再登場!助産師さんもゴーグルをつけて、他の助産師さんも集まってきて、一気に本番感が高まる!!

いい感じに麻酔が完全には効いていないのでお腹が痛いタイミングで自分でいきむ。「いきますッ・・!」と宣言してから全力でいきむ。手元のレバーを前に全力で引いて、お尻を分娩台に押し付けつつ体をCカーブにするために腹筋の上の方を死ぬほど使って状態を持ち上げる。そのCのまま空中に内蔵を全て発射するイメージで踏ん張った!なるべく長くいきんで、超素早く息継ぎしてまたいきむ、を1回の陣痛でできれば3回・・!3回目は流石にきつくて体のCカーブが緩くなっている気がする。実は数年前に1年マシンピラティスに通っていて、正直あんまり効果ないなーなんて思ったら退会したんだけど、出産の時にほんとにピラティス通っておいてよかったと思った。背骨の向きとか骨盤の向きとかに敏感になって自分でコントロールできる感覚がマンツーマンのピラティスのおかげで身についた気がする。

それにしても先生と助産師さんの褒め方が尋常じゃなく上手い。褒められると調子にのる私としてはいきみかたを褒められることで、どんどん頑張っていきむことができた。 次にもっと完璧ないきみを見せてやる・・!!みたいな感じで。笑 それで本番で何セットくらいいきんだかは忘れちゃったけど、5~10セットのどこかくらいだった気がする。吸引カップはそもそも最初の方からつけていた気がするけど、先生によると吸引したのは2回くらいだったみたい。

(後日談。その後、調子に乗っていきみすぎたためか、痔になってしまいました。笑 今となっては笑えるけど、産後会陰の傷よりも痔の方がしつこく大変だったので、次また出産するとしたらバースプランには痔になりたくない、って書こうと思います。ソフロロジーをもっと勉強すればよかったなぁ。。)

そうこうしているうちに「パパさん呼んできて〜〜〜!!」となって、夫登場!完全に終戦直前に前線に投入された新人兵の面持ちでキョロキョロ入ってきて、予習してきた通り私の頭を撫でたりしようとしてくれているのはわかったけど、こちらはそれどころじゃなかった・・!最後に1ミリだけ残った理性で旦那の手を頭でフンッ・・!って振り払うのを我慢して、いきみに全力投球する。。。

(2024年時点では山王バースのパートナーの立ち会いは最後の2~3いきみのみです。本当に生まれる瞬間しか立ち会えない。陣痛中からずっと夫にサポートしてもらいたかったので、残念でした。。。)

次のいきみで「ママ下見て下見て!!」って言われて、ついに自分の股間から朝日が昇るかの如くなんかすんごい物体が出てきた・・!!「わお・・・!!出てきた・・!」みたいなことしか言えなかったし、ほんとに居たんだw wというのが感想だった。やっぱり初めましての顔なので、なんか人見知りしたみたいな気分になったのが面白かった。笑

やっぱりベビーはちょっと灰色になっていて、とってもベビーも苦しいなか頑張ったんだろうなと思った。ちょっと間があってから泣き始めてちょっと安心したけどどうにも声が小さい。うちの猫も声が小さい方なんだけど、猫のように「なぁ・・なぁ・・」としか言っていない。。。しばらくすると新生児科の先生がやってきて息子を処置し始めた。やっぱりどうやら呼吸がうまくいっていないらしい。心配は心配だけど、こっちはこっちでお産の直後から謎に体がガタガタガタガタ震えてしまって息子を心配できる状態ではなく方針状態でただただガタガタ震えながら先生に胎盤を出してもらったり止血をしてもらったり縫ってもらったりなんだりしている。。とにかく頭が回らなくてベビーのことを心配できないのは逆によかったかも知れない。とりあえずガタガタしながらボーゼンとする私。。

息子は肺に入っていた水が本来ならすぐ吐き出せるものが出せなかったらしく、そのままNICUに搬送されることになった。周産期医療ドラマの「コウノドリ」を全話見ていたおかげで、先生の焦り具合的には生命の危機的な状況ではなさそうだというのはなんとなく察知できたので、ドラマ見ておいてよかった。。間の悪いことに山王のNICUが満床で、愛育病院のNICUに搬送されることになってしまった。。。夫は息子と一緒に愛育病院へ。夫は当然意識がしっかりしているので心配で心配でたまらなかっただろうなぁ・・・。

とりあえず、10ヶ月の妊娠生活と2日間の死闘(無痛だけど私的にはしんどいはしんどかったよ)の末に生み出した我が息子とはほとんど対面できず触れ合えず搬送されてしまったので、産後直後の茫然自失とした状態と相まって、本当に息子の誕生は現実だったのだろうかと疑うほどだった。幻だったんじゃないか・・?

とりあえずまだまだ心配する余裕なく分娩室で2時間ほど眠りながら過ごして、まぁ震えもおさまったので、病室に移動。ご飯が出てくるも、全く食べる気がせず、家から持ってきていたゼリーを飲んで過ごす。まるまる24時間くらいご飯食べれてなかった。その後はあんまり覚えてないけど、ものすごく疲れたというか呆然とした状態なのでベッドでうつらうつらしながら過ごして、20時くらいに夫が愛育から帰ってきた。いちごとおにぎりとゼリーを買ってきてくれたので、いちごとおにぎりを頂いた。息子の状態を聞いて、一過性のものらしいということで一安心。

産後1回目のおしっこが自力で出せなくて焦るが、21時くらいに絞り出すようにして腹圧をかけたら出た。。麻酔が切れている状態での導尿は避けたかったので、ギリギリ出せてよかった。

この日は疲れ切っているので麻酔が切れる前にロキソニンを飲んで、睡眠薬を飲んで、眠る。睡眠薬のおかげで朝まで7時くらいまで爆睡できた!

産後1日目 とにかく股が痛い


朝起きたらクラムチャウダーが美味しかった。ようやく病院のご飯を完食できるようになった。朝は色々部屋の状況を整えたりシャワー浴びたりしているうちにすぐに昼になってしまった。なぜなら、股が痛すぎてカタツムリのようにしか動けない。こんなに痛くてシャワーするのがビビったけど、キレているのは一部だけで、股〜肛門にかけてこんなに痛いのはただ腫れているだけ、という助産師さんの言葉を信じて、意を決してシャワーを浴びる。ぬるーいお湯で緩めの水圧で流してみると確かにそこまで痛くない。ボディーソープをふわふわに泡立てて洗ってみたけど、あんまり痛くはなかった。ただ怖いだけだった。笑 それにしても確かに、外陰部の腫れが凄まじいことになっている。普段がたらこひとつ分だとすると、たらこを3つ重ねたくらいの厚みになっている。どうりで股〜肛門の間になんか挟まってる感覚があったんだ・・・この腫れが治ってくれたらだいぶ痛みも歩行も楽になりそうだけど、いつ治るんだろうか。(会陰は2週間くらいで治りました)

お昼ご飯も元気にいただき、息子が近くにいないので搾乳機で搾乳した。全く何も出ない中、グイングイン一人で搾乳するのがなんかシュールだった。本来だったら夫も病室に泊まって息子のお世話をするはずだったのに、そのために高い方の病室にしたのに、搾乳機と二人きりなのが切なくて泣いた。産後涙脆くなるというのは本当かも知れない。

午後、息子のいる愛育病院の方に面会に行けるとのことだったので、こっちでお昼ご飯食べた後に夫が迎えにきてくれて愛育に行った。そこには幻かも知れなかった息子がちゃんといた!なでなでして声をかけたらまた涙が出てきた・・・まだ保育器に入っているので抱っこができない。早く抱っこして授乳してあげたいなぁ。。。1時間ほどなでなでしたりなんだりして山王に帰る。移動が辛くて私の股間のHPはまた0に近くなってしまった。

戻った後は搾乳の練習して、ご飯食べて、搾乳の練習して、顔洗ったりなんだりして、日記を書いてるうちに、20時くらいに寝ようとしてたのに22時になろうとしている。子供が近くにいなくても一日が飛ぶようにすぎていくのが恐ろしい。カタツムリみたいに動いているからかな。代わりに、SNSとかで時間を浪費している暇がないので、気分はいい。

明日は息子の隣で搾乳したり、息子の体を拭いてあげたりする予定なので楽しみだ。ただ、毎日痛い股を引きずるようにして愛育に行くのが辛いし、そもそも私の退院後も愛育は自宅から遠いのでできれば息子が山王に転院できるといいんだけど。。。


と、以上が山王バースセンターでの出産レポでした!正直、息子がすぐに他院へ搬送されてしまったので、産後何もすることがなく、あんまり山王バースを満喫できてはいないのですが、先生や助産師さんはみんなすごく優しくて嫌な思い出は一つもなかったです。特に主治医の先生は私たち夫婦のお気に入りで、なんというかちょうどいい感じにさっぱりしていながらもチャーミングな先生で、次があればまた先生に取り上げていただきたいなぁと思うくらい。でも、陣痛中に夫に立ち会ってもらうことはできなかったので、自然分娩で最初から立ち会ってもらいたい場合は別の産院の方が良さそうだなと思いました。

これから出産の方は頑張ってください〜!素敵な思い出になりますように!

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