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ドキュメンタリー『ロデオ 民主主義国家の作り方』エストニア・フィンランド合作 NHK 「BS世界のドキュメンタリー」2020.4.21

NHK BS1「世界のドキュメンタリー選」枠で観ました。昨年5月と11月に放送されたもののようです。

このところ、行政サービスの電子化で世界最先端のIT先進国といわれるエストニアですが、ソ連からの独立当座は結構どたばただったようです。その独立エストニアを率いた32歳の首相、マルト・ラールの、いまとなっては多少笑い話のようにも楽しめる、政権運営を描いています。

1988年、バルト三国で次々と起こった「歌う革命」とよばれたソ連からの独立運動。結局、ソ連崩壊により、1991年8月独立を回復。やがて行われた自由選挙で、圧勝したマート・ラールが政権をにぎります。

「なぜ私が首相に選ばれたのか、いまだにわからない」と振り返るラールは、シャイで実直そうな青年。彼の友人たちも入閣し、自由経済の旗振りをするのですが、商店に商品はなく、国家財政はほとんど破綻状態。しかもソ連の駐留軍はまだ居座っているのです。ここからいかにして、経済を盛り返し、普通の国家にまでもっていくか。タイトルは、その新政府を暴れ牛に例え、「Rodeo Taming a Wild Country ロデオ 野生の国を馴らす」。

本当かよ、となかば笑えるのが、ルーブル売却作戦。いよいよ国家財政が破綻し、国庫が底をついたとき、国民から没収したもののソ連が買い上げてくれないため、紙くず同様だったルーブルを、当時、ロシアと仲の悪かったチェチェンに持ち込み、ドルとひそかに交換。なんとかこの年の冬をのりきます。のちにこの極秘作戦は明るみにでて、ラールは政権を追われることになるのですが…。そのルーブルを載せた飛行機がチェチェンに飛び立つ風景もカメラに収めています。

予告編はこちらで。https://www.youtube.com/watch?v=w04zzZUQdHM

英語題 Rodeo Taming a Wild Country
製作年 2018年
製作国 エストニア/フィンランド
上映時間 77分(NHKの放送版は45分)
監督 Petter Sommer, Jo Vemund Svendsen

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