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砂糖少なめ~ちゃん

もしもーし。聞こえる?

砂糖少なめとはミスiD2021からの仲であり、しょっちゅう電話をしている。でも正直なところ、音質のせいなのか半分くらいしか聞き取れてない。はやく東京にいかなきゃと思う要因のひとつである。という文章を今電話口にいる砂糖に読み聞かせたところ、「はよこいや」と歌い始めた。これは聞き取れた。

Twitterではかなり仲良くしてたが、砂糖と実際初めて会ったのはミスiD2021の卒業式だった。砂糖は卒業式で、トイレから出てきたばかりの私の腕を強引にとり「連れションしよ」と言ってきた。私連れションはしない主義なんだよと言っても腕を離してくれなくて、結局トイレに連れていかれた。小学生のころ、そこそこ仲の良かった友達の連れションを断ったら次の日からハブにされたことを思い出した。この時点ではなんなんだこいつと思っていた。

でも卒業式が終わったあと、受賞できなかった私達はエスカレーターの下で再び会い、砂糖はひとしきり泣いたあと、友人の受賞を心から喜んだ。そのあと「ミスiDを友達づくりの場で終わらせないから」と言った。そのまま帰りのバスに乗り遅れた私と砂糖は喫茶店に入った。砂糖は「映画づくりを職業にする」と語った。私は極端に真剣な人間が大好きなので、砂糖とはこれからも仲良くしようと決めた。

砂糖は非常に情熱的で、エネルギッシュな人間だと思う。特に映画に関しては。以前彼女からSOSをもらって東京にすっ飛んだときに、彼女はゴリゴリ脚本を書いていた。ゴリゴリガリガリ。崖から落ちる寸前のところで小指だけ引っかけて繋ぎ止めてるのが映画なんだな。たぶん常に小指だけ引っかけてる状態で生きてきたんだろうな。映画、生命に繋ぎ止めるための呪いみたいだな。明るい呪いだなと思った。ポエムみたいになった。最悪だから全部消そう!って言ったら電話の砂糖に「ダメだ!消すな!消したらヤバイぞ!全裸で大統領の演説を邪魔する夢をみるぞ!」って言われた。夢でいいのかよ。ワケわからんから残しとくことにした。

私が東京に行った数週間後、今度は砂糖が長野に遊びに来てくれた。「バンザイマンが東京きてくれたのうれしかったから」と言っていた。こういう義理堅いところも情熱の人である。遊びにきても砂糖は脚本を書いていた。極端な人生だな。

夜、雨の中で花火をした。

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