WCT盛岡市アイスリンクメモリアルカップとわんこそば大会

WCT盛岡市アイスリンクメモリアルカップ。
毎年、東北ブロックや関東ブロックを中心に競技カーラーが集まり、熱戦が展開される競技会だ。私は晩成カーリングクラブとして過去3回出場したことがある。
優勝もしたことがある。(自慢です)
2回したことがある。(これも自慢です)

盛岡カーリングクラブを中心とした運営は素晴らしく、交歓会では名物「わんこそば大会」が開催される。(近年は感染症対策で見送っているはずですが)

わんこそばにも様々なスタイルがあると思うが、この大会のは名店「東家本店」で行われる本格的なものだ。

小生、わんこそばには思い入れがある。
大学卒業後、青森で6年ほど暮らしたのだが、「岩手でわんこそばを食う」のは「青森にいるうちにやってみたい100のこと」のトップ5に入っている項目だった。
しかし、ついに体験することなく離青した。
いや、何度か機会はあったのだが、そのたびに諸事情あって延期となり、挑戦の機会を逃してしまっていたのだった。

参画チームにつき代表1名のみが出場、ということだったので大会前のミーティングでチームメイトを拝み倒し、代表にさせてもらった。(第一関門突破)
この時のメンバーはタケダ、ニサト、フクイ、ヤマテツの4人だったのだが、彼らへの「一生のお願い」はこの時使ってしまった。

わんこそばの攻略法自体は、大会参加が決まったときから調査を始めていて、すでに頭に叩き込んであった。(麺を噛まずに飲み込むとか、薬味はたくさんついているが入れなくていい、とかいうやつです)
念のため要点をプリントアウトして健康保険証とともに遠征の荷物に入れ、行きのフェリーで復習した。

初日のゲームが終わり、会場からいったんホテルに戻ってそこであらかじめ購入しておいた野菜ジュースを胃に入れウォーミングアップとした(ハンター錠二のルーティーンをリスペクト)
レセプションが始まっても、ビールに軽く口をつけ、ごま豆腐をつつく程度にとどめた。
全ては10年あこがれ続けた「わんこそば」を満喫するためである。

2分間1本勝負である。第2組4枠。今発走しました。
(中略)
結果としては69杯食って優勝した。
2位は確か50杯くらい。
優勝杯数としてはまずまずといったところだそうです。

長年の夢が叶った充実感と、緊張から解放された安心感、優勝できたという満足感で興奮冷めやらぬ中、勇んで二次会に出撃したのだが、以降、酒も料理も全然腹に入らなかった。

わんこそばは、もりそば1人前を10~15杯分とするのが標準らしい。69杯だと約5-6人前相当で、ものすごい量というわけではないのだが、2分勝負だとかなり勢いよくすするから、空気もたくさん飲んでしまったのだろう。むちゃくちゃ腹持ちが良かった。(攻略法では空気を飲まないように、と強く戒めてあったのだが、実際にはなかなか難しかった。もっとも、わんこそばのあと、自分の分の宴会料理を平らげ、ビールをたらふく飲み、締めのそばまでも食ってしまったのが良くなかったのかもしれないが…。)

結論としては、わんこそば大会に出ると二次会ではごちそうが食えなくなる。
わんこそばは1回やればそれでいいな。いや、どっちかっていうと二度とやらなくていいな、というのが私が得た教訓である。


後日談がある。

2017年のわんこそば大会に出場したあと、翌年のわんこそば、じゃなかった盛岡市アイスリンクメモリアルカップは実妹の結婚式と日程がかち合ったので欠場した。(ジュン・ブライドです)
そして、その次の年、2019年に2年ぶりに出場したのだが、よからぬ話を耳にしていた。

竹田欠場時、2018年のわんこそば大会の優勝は青木学さん(現WCT-JAPANチェアマン)だったそうなのだが、「竹田不在の大会でチャンピオンを名乗るのは尚早だ」などと、誰だかに言われたらしい。それで、私にいわれなき敵愾心を燃やしているのだというのだ。(ザ・シェフで鯨岡に挑発されて味沢匠に勝負を挑みに来日するジャン・ポナバルト的展開)

青木さんの優勝成績は50数杯だったそうなので、私からすると、すでに勝負はついているんじゃないか?と思うのだが、どっこい、会場入りした瞬間から青木さん、プロレス風にあおりを入れてくる。
「勝負だ!竹田ァ!逃げるんじゃねえぞ!!」

すこぶる面倒なことになったと思った。
この時の晩成CCはタケダ、タカダ、フジイ、ヤマテツという編成だった。
ミーティングで、自分は一回やったからもういいです、と言ったのだが、前2人は若干食が細いこともあって難色を示し、ヤマテツに至っては「実家がうどん屋だったので、そばは遠慮しときます」などと言い(※実話)ふたたび私が代表になってしまった。

仕方がないから前回と同様、野菜ジュースの準備はしたが、心の準備不足は否めず、乾杯後ビールを1杯、山芋といくらの和えたやつ、刺身、山菜の小鉢を食ってしまった。

しかも青木さんと同じ組になってしまったので(仕込みです)、相手の出方を伺うことができない。

しかしやるからには勝たねばならない。(理由はわからないが…)
幸運なことに、前回の動画が誰かのスマホに残っていたので、それを転送してもらって、直前ではあるがフォームチェックをすることにした。研究したところ、私のフォームはそばをすすり込む際の上半身の上下動がやや大きく、改善の余地があるように思われた。

(興味はないと思いますが)詳しく解説すると、お椀を持つ位置が少し低い(みぞおち付近)ので、これをやや高め(胸の前くらい)に保持するよう改善することで、すすり込みにあたっての無駄な動きを減らし、効率的なそば食いの実現を狙ったのである。

乾杯後、チームメイトにエアわんこの動画を何本か撮ってもらい、フォームチェックをしたうえで、本番に臨んだ。(竹田は本当に馬鹿だなあ)それを見ていたツカモトさんはそう思ったそうだ。

2分間1本勝負である。第2組4枠今発走しました。奇しくも前回と同枠です。
どっこい、一口目で勢い良くすすり過ぎて、めんつゆにむせてしまった。(終わった)と観戦していたカサハラさんは思ったらしいのだが、まあ、ちょっとせき込んだあと、なんとか盛り返して
(中略)
76杯でフィニッシュ、前回比10%の速度向上を得、優勝した。(青木さんは50杯くらい)

充実感は全くなかったが、緊張から解放された安心感、前回よりもいい杯数で優勝できた、という満足感を得た。興奮冷めやらぬ中、二次会はシバタ先生行きつけのダイニングバーに連れて行っていただいた。
先生から「竹田さんは向上心が旺盛だねぇ~」と
直前にフォーム改善を検討していた点についてお褒めの言葉をいただいたのだが、前回同様、ごちそうを前にして、ちっとも箸が進まなかった。
「さあ、どんどん食べなさい。」
拷問である。

結局ワインを少し、プロシュートを数切れ口に運んで
皆がうまいものを食うのを眺めるしかなかった。そばが腹いっぱい入ってるせいなのか何なのか、酒にも全然酔わなかった。ラスト、最後の力を振り絞り、店の名物のピザを2切れ、何とか食ったが、3切れ目には手が伸びなかった。

新たな教訓は、どのようなことにも改善の余地はあり、事前の準備を怠ってはいけないということだ。トライ&エラーはもちろん大事だが、挑戦の機会は何度もある訳ではないのだ。記録と研究に基づき、一定の方針を立てておく事が成功の前提だと思う。また、この場合、動画(客観的記録)を入手できたことが、明確な問題点の把握と改善につながったのは言うまでもない。記録は重要なのだ。

そして、二次会を楽しみたかったらわんこそば大会は出ないほうがいい。

今年は娘の運動会とかち合ったので行けなかったのだが(ジュン・ウンドウカイです)来年の盛岡市アイスリンクメモリアルカップを楽しみにしている。

万が一、3回目の挑戦をすることになったら、どなたか前回(2019年)の動画の転送いただけるようお願いしたい。



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