カーリング強豪国語呂合わせ

カーリングの強豪といえば「CAN」そして「SSS」と称される6か国・地域だ。(テストには出ない) すなわち、カナダ("C"ANADA)、アメリカ諸州連合(U.S."A".)、ノルウェー("N"ORGE)。そして、スイス("S"WISS)、スウェーデン("S"VERIGE)、スコットランド("S"COTLAND)である。
これら6か国・地域は、いずれもWCFの前身であるICFの設立メンバーであり、最古参かつ最強豪の集団である。(※正確にはICFは上記6か国・地域にフランスを含めた7か国でスタートしているのだが、詳細は割愛。)
世界のカーリング(専用)施設と競技人口の大半が、従前この6か国に集中してきたということもあり、過去1世紀ほどにわたる国際カーリングの歴史のほぼすべての期間において、彼らが常に競技をリードし続けてきた。
事実、4人制の男女の世界選手権の優勝国は過去この6か国が(ぼほ)独占してきている。女子で90%、男子は100%この6か国のいずれかが優勝してきている。ラグビーW杯的寡占ぶりなのである。
一方、2000年代から急速に力をつけてきたのが「新CAN」「新SSS」として知られる国のグループで、これは中国("C"HINA)、日本(JAP"AN")、韓国("S\OUTH
このグループを特徴づける共通点は、歴史的にはカーリング文化は根付いておらず、したがって後発ながらも、国内統括団体のイニシアチブのもと、強力な国家的支援を得て、一部のエリートチーム(のみ)を重点的に強化して国際競争力を高める事を(優先)志向したことである。
いやいや、中国やロシアはともかくとして、日本は違うでしょ? という感想を持つ方もいらっしゃるかもしれないが、競技環境整備の原資やナショナルチームの選考、強化に対する財政支援という観点でみた場合、国際的な基準からすると日本は間違いなく上述したカテゴリに属している。(詳細は割愛。)
誤解をおそれずに言うならば、『競技スポーツを国威発揚のための国家事業と位置づけ、ナショナルチームの国際競技会における活躍を最重視し、国家の強力な支援を原動力に競技者育成や競技成績の向上を目指し、達成してきた国家グループ』と定義できるのである。(良いとか悪いという話ではないです)
長野(1998)、ソチ(2014)、平昌(2018)、北京(2022)の自国冬季五輪開催がそれを大きく後押しした。 (※ これに関しては「鶏が先か卵が先か」という話でもあるのだが)
2010年ころには「新CAN-SSS」グループ諸国の国際競争力は上位に達し、以降、世界選手権・オリンピックいずれにおいてもメダル獲得を達成している。ジュニアカテゴリでも活躍めざましく(詳細割愛)、この間WCF内における発言力を高め、カーリング(市場)の世界的な普及拡大に貢献してきたのである。
このことから「新CAN-SSS」が「旧CAN-SSS」にとって代わると予想する向きもあったが、 1)中国は北京冬季五輪前後の「不合理な」強化策等によって(詳細割愛)、 2)韓国は統括団体のガバナンスをめぐる混乱等によって(詳細割愛)、
3)ロシアはドーピング問題とウクライナ侵攻を契機とする国際社会からの孤立等によって(詳細割愛)、 4)日本は・・・ (詳細割愛)等によって、 相対的な国際競争力という点において、若干の停滞(後退)が見られるなどしており、予期されたような劇的な交代は進まなかった。
注:我が日本については、ほかの3国と比して若干考慮すべき個別の要素があるのだけれども、本稿では展開しない。(この機会では十分展開しきれない & 若干炎上しそうな気がするから。)
これら停滞現象は、上述した「新CAN-SSS」グループの特性である「専制的でトップ強化に特化した」構造の正の一面であり、負の一面であり、当然の帰結ともいえるというのが(詳細割愛)竹田の分析である。(良いとか悪いという話ではない)
とはいえ、これはあくまで現時点での話であって、今後どうなるかはまだわからない。 「新CAN-SSS」グループに関していうと、この20年ほどの期間において、競技・競技者を支える強固な物質的・社会的基盤が構築されないまま、エリート競技者層が肥大していっているという現象を指摘せざるを得ないが、
これについても、わずか1-2世代(20-40年)ほどの時間軸において評価するのは早計というものであろう。もちろん、伝統国グループの押し返しや、2010年代以降から加わった新たなWCFメンバー国・地域のめざましい前進にも言及せねばならない。
「旧CAN-SSS」グループは「新CAN-SSS」諸国に対抗すべく、従前よりも統括団体のイニシアチブを高め、強力な国家(地域)支援の獲得に注力し、一部のエリートチームを選択的・重点的に強化することにより国際競争力を高める方向にシフトしていった事実がある。
この20年ほどのカーリング技術の発展や向上はそれ以前の100年と比較すれば、めざましいものがある。これは「競争」のもたらしたひとつの果実である。同時にこれらがカーリング競技に正の影響と(それに付随する)いくばくかの負の影響、その両方をもたらしていることは否定しえぬ事実である。
「批判している」と感じる人もいるかもしれないが、私は1990年代からの観察者として、この「競争」が中長期的にどのような帰結をもたらすか?を興味深く見守っているひとりの人間にすぎない。何が良いという話はできない。あえて言うなら程度問題なのだろうと思うが。
イタリアの躍進(これも、ミラノ=コルチナダンペッツォ冬季五輪開催予定が大いに関与している)、 トルコの着実な成長、 ホームアイスに恵まれないながらも欧州を転戦し、成績を伸ばしているオランダ男子、 カタール、サウジアラビアといった中東の国々の挑戦、
ニュージーランドやオーストラリアといった南半球の英連邦諸国等がカナダを拠点としてナショナルチームの活動をする、といった動き、 ざっとこれらが既にあり、今後どうなるかは予想もつかない。
世界のカーリングが、私の理解を超えた次の段階に入っていっている可能性もある。それはそれで楽しい事である。 だが、どのような過程・途中経過を経ようとも、本質的には「より広い裾野が、より高く安定した頂を形成する」という普遍的な自然科学の原則に従うであろうと予想している。
ちなみに、ヨーロッパの中堅国は「A to I」と覚えるとよい。(もちろんテストには出ない) A:オーストリア B:ブリテン諸地域(イングランド、ウェールズ、※ アイルランド) C:チェコ共和国 D:デンマーク E:スペイン F:フィンランド G:ドイツ連邦 H:ハンガリー I:イタリア
2024 Feb 08 12:46:47GMT

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