見出し画像

#105 妻の元ツレ

 そういえばすっかり話題にするのを忘れていたが、ゴールデンウィークの話をしようと思った。もはやゴールデンウィークもすっかり過去のことではあるが、すべてのものは今が一番新しいのであるし。

 すこし遠出をして海が見たい、と江ノ島行きを考えていた矢先、たまたま目に入った夕方のニュースで、おそらくは弁天様の参道(食堂が並んでいるあたりやな)の行軍のような人の波にヒエッとなり「人はみな江ノ島にこぞりたがる」という知見を得た。

 じゃあ、家族四人でいってそこそこ楽しめて、そんなに人のいない場所というのはないもんか、と考えついたのが、

 ここである。調べると植物園があり、東京湾も海と云えないこともなくなくない。これならば期待外れでもそこそこ楽しめるのではないか。どんな場所であっても「初見」というのはそこそこ楽しい。

 新木場駅、降り立ってみると案の定"適度な"人の数。そりゃあ昨日の江ノ島を見ていればどこも閑散としているように思えるわけではあるが、しかし広い。現場の地図の看板を見ながら連なった野球場だの、キャンプ場だのを横目にクマンバチが多い。「危なくない」「羽音がうるさいだけ」という知識の持ち合わせはあるが、それでも顔のスレスレを通られるとあはり怖いものがある――を抜けると急に人だかりがある。ハワイフェスだ。われわれの預かり知らぬところでハワイフェスは開催されている!

 フェスの屋台でヤングらにかき氷を食わせ(炎天下をよく歩いた)、マリーナの上からクラゲを探すとやることがなくなった。これは熱帯植物園に行くしかない。

 熱帯植物園はいいぞ。なにしろなにもかもでかいからな!

でかいヤシ


でかい温室
でかいゾウタケ
でかいマンゴー
でかいモンステラ

 でかいモンステラ? というところで急に記憶が蘇る。もう10年以上前だが、当時大阪に住んでいた彼女(現・妻)のところに月イチで通っていたのではあるが、リビングの真ん中にモンステラの植わった青い鉢が鎮座していたのであった。部屋の中心にモンステラは配置されており、まがりなりにもモンステラも生物であるからして、彼女と同居しているのにも等しいのであった。そういえばキッチンマットもモンステラの柄であり、それはいまでもボロボロになりながら弊社のキッチンマットとして生き残っている。
 当時の部屋のモンステラもずいぶんでかい鉢だなぁと思っていたが、

さらにでかいモンステラ

 おまえ、本当はこんなにデカくなるのか。写真に写っているだけでも一株の、その一部。このでかいのがさらにいくつももりもりと生えているのが熱帯なのであった。
 ここで一部の読者は「じゃあ鉢のモンステラはどうしたのか」という疑問を抱かれるかもしれないが、驚くなかれ、まだ妻の実家のリビングで生き続けておる。中国地方の山奥で、冬は日中でも零下という環境になんとなく適応し、折れたこうもり傘みたいになって多分まだ生きている。今年の正月にはまだあった……。

 などと妙な記憶とリンクしたが、でかい植物はいいぞ! という話である。なお、ヤングらが一番喜んだのは帰りに寄ったコメダ珈琲の飯だったという。
 そういう験しは、いくらもある。

みなさんのおかげでまいばすのちくわや食パンに30%OFFのシールが付いているかいないかを気にせずに生きていくことができるかもしれません。よろしくお願いいたします。