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貴金属価格と価格の不思議

毎朝平日は欠かさず鉄鋼新聞を読んでいるので、金や銅などの貴金属の価格は自然とチェックする習慣がついた。基本的に、ウクライナ戦争やインフレの影響もあり、ここ数年、価格は上がり調子で、昨年、銅は史上最高額をつけたそうだ。最近の主な価格の変動要因は中国の景気動向とこれは不動の変動要因であるアメリカの利子率とドルの動向である。

中国の景気については、コロナ規制が解除の方向に動いたことによって、景気の予測が良くなりそれに伴って貴金属価格が上がったが、その後は予想よりも需要が伸びる伸びないの予測の繰り返しで上下している格好だ。

アメリカの利子率とドルの動向については、もっぱらインフレの抑え込みのための金利の引き上げにより世界の取引通貨であるドルの価値が上昇して、貴金属価格の下げ要因となってきた。

しかし、実際にインフレというのは景気にとっては良いことであるのに、金利の引き上げという要因により、価格が下がっていくというのは不思議な感じがいつもしていた。

そして、昨日の新聞を見ると、「最近発表の経済指標の一部が強めの内容だったことを背景に、リセッション(景気後退)懸念が幾分後退し、白金族の買いにつながったもようだ」とあった。

前日までは良い経済指標がでれば、インフレの懸念により利子率を上げるという予測が立ち、ドルが買われ貴金属が割高になるという逆の動きがでており、一見矛盾しているように見え、不思議に思っていた。

故に、価格は逆の動きを常にはらみながら、市場一般がどの要因に多く着目するかによってどちらに動くかといった傾向があるように感じた。物やお金の価値というのはさまざまな要因で上下して、予測が難しいという例である。

物の価値は基本的に経済の成長により上昇していくだろうから、全体の株価は上がっていくというだいたいの予想が立てられるが、為替というのは国と国との相対的な通貨の価値で決まるということなど要因がさらに複雑で、株や貴金属よりもさらに予測が立ちにくいというのは、この例をもってあらためて感じさせらた。

#経済 #貴金属#価格#インフレ#鉄鋼新聞#金#銅#利子率

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