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BG2, ToB, 第9章、シリック神と主人公の対話1、殺戮神シリックの心配

<ポケットプレーンにて。主人公は封印の解けた試練の部屋で、派手な服をまとった一人の見知らぬ男に出くわす>

シリック
「ご機嫌よう、我がかつての敵の子よ。話し合う時だ、そなたと私で」
「が、まず…そなたの友達とやらに邪魔されぬようはからうとしよう。これは内輪の話だからな」
<シリック、主人公以外のメンバーを転移させる>
「さて、では本題に入る前に、ちょっと聞いておこうか。そなたは私が誰か知ってるかな?」
主人公
「あなたは…現在の殺戮の神じゃないですか?」
シリック
「その通り、まあ知ってたっけ、な?私はそう、シリック*だ…殺人の神にして、抗争、虚言、また錯誤の神でもある。これらが主なところで、あとは触れるに及ぶまい」
「ごく最近、私はちょっとした狂気の発作から回復したんだが…それはそなたにとって大したことじゃない…見ると、私の前任者の子供らが雑草みたいにそこら中にはびこってるじゃないか」
「今となっては、もちろん、ごくわずかしか残っちゃないがね、たとえばそなたみたいに。私には、そなたは殺戮を司りたがるような気質も野望も持っているとは思えんが…念を押すに越したことはないからな。私の悩みがわかるだろ、ええ?」
主人公
「あなたはほんとにシリックなんですか?全然神らしく見えないけど」
シリック
「何を念頭にしてそう言ってるのかね?スレイヤーみたいな気色の悪い何かの化身?モヤモヤした雲の塊?轟くような声をした空に浮かぶ巨大な顔?私はただそなたと話すため、そなたが私にもたらす脅威…もしあればだが…を見定めるためここに来てるだけなんだ」
主人公
「もし私があなたの脅威になるのなら、どうしてさっさと殺さないんです?」
シリック
「ああ、ことがそう簡単に済むものだったらなあ。だが、もし私がこのバールの子らの騒動に関わりを持ったら、その時は神のなかから私自身の敵対者が干渉に乗り出してくるだろうよ。ミストラ*か、それともケレンヴォーかが、おそらく」
「それに、エイオー、あの至上の父もまた、この件に関心を持ってるらしい…不可解きわまることだが。彼はバールの子自身がドラマに終止符を打って、我々神は手出しをしないことを望んでいる」


*タイム・オブ・トラブルの時代を舞台にした壮大な物語『シャドウデイル・サーガ』の主人公のひとりにして、もと人間のシーフだったが、のち神に昇格した人物。陰険で疑い深い(高じると狂気ぽくなる)ナラズモノだったが、神になってもその性格は相変わらず。タイム・オブ・トラブル(BGの舞台の時代の約10年前)とは最高神エイオーが他の神々に怒りを含んで、彼らを定命の存在にして地上に追放したときのこと。神々はその力こそなお強大だったが、肉体は可死になったため、この時代には同じもと神や人間に殺される者が続出し、下剋上の世界みたいになった。人間だったシリックはこの時代に冒険仲間の女魔法使いミッドナイトや傭兵ケレンヴォーとともに殺戮神バール(BGの主人公の父)、幻術の神レイラを倒し、その神力を奪って、タイム・オブ・トラブル後に神、というか邪神に昇格?した。最高神エイオーがさらにやはりこの時倒された死の神マークルや圧政の神ベインの神力も分け与えたので、シリックにはやたら肩書きがある。
*魔術の女神。ただし彼女はたびたび殺され再生していて、このときのミストラはシリックのもと仲間のミッドナイトによって再生したもの(本体は強引に天界に帰ろうとして、最高神の命で門番をしていたヘルム神と争って、ヘルムに倒された)。彼女は人間時代に一時シリックと恋仲だったが、のち同じ冒険仲間だったケレンヴォー(彼ものちに死の神に昇格した、ただし閻魔様のような公正な神)に心を移した。陰険なシリックはそれを根に持っていて、神様になった後もひどく彼らと仲が悪いわけ。

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