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BG1, 第6章、幼少時代のすっぱ抜き2

<1の続き>

セオドン
「待て、待て、すっかり思い出したぞ!あの大魔導師ケルベン・ブラックスタッフ*が、自分のマントを腰に結んだ裸のお前さんが馬小屋を走り回っとるかたわらで、何とか厳粛な顔つきを保とうと四苦八苦しとったありさまといったらなかったな、え、ジェサップ?」
ジェサップ
「あの時はすんでに笑い死にするかと思ったわい!」
セオドン
「わしもじゃ、二人ともじゃよ!ゴライオンはもう頭に来て体をワナワナ震わしとったがな」
主人公
「とっても楽しかったわ。もう行かないと」
セオドン
「もうどうしていいやら誰にもわからんかったが、その時ケルベンが一言二言呪文を唱えたのよ。すると魔法の手がお前さんの襟首をとっ捕まえた。お前さんは引きずり寄せられて、ケルベンの真ん前におっぽり出された。ケルベンは泥まみれの自分のマントをお前さんからもぎ取った。それを見てたみんなは青くなっちまった。そうだったな、ジェサップ?」
ジェサップ
「その通りよ。どうなることかとみんな縮み上がったわい」
セオドン
「そうとも。そしたらケルベン先生、いきなり、腹を抱えて聞いたこともないような大爆笑じゃ!キープ中の人間がアゴが外れるほど笑いこけたわい、お前さん以外はな、<主人公>。お前さんは生まれた日同然の真っ裸で、ボケッとそこに突っ立って、何の騒ぎかしらって不思議な顔をしてたよ。いや、懐かしいのう」
主人公
「その、そうね。そろそろお暇するわね」
セオドン
「ああ、いいとも。またいつでも来とくれよ。わしはお前さんの小さかった頃を描いた絵もいくつか持っとるぞ。お友だちにも見せてやるといい。熊の毛皮に寝そべった<主人公>の絵を覚えとるかい、ジェサップ?」
ジェサップ
「もちろんじゃ。いつも通りの真っ裸よ」
セオドン
「テントウムシのように可愛かったよ、お前さんは。さ、お友だちと遊んできな。行った、行った」


*ケルベン・ブラックスタッフ(ケルベン・エアランサン)は大都市ウォーターディープの領主の1人にして、エルミンスターとともに”ミストラ(魔法の神)に選ばれし”大魔術師。丈高く堂々たる威厳があり、深沈とした容貌で有名。

*バルダーズゲート2で最初のダンジョン内で休憩すると、その後主人公の肝っ玉に驚いたイモエンが話しかけてくるが、セリフの選択肢しだいで「ゴライオンの所にケルベン・ブラックスタッフというとても偉い魔法使いが訪ねてきたことがあるわ」と語ってくれる。なおイモエンの冒険後のエピローグにもケルベンの名が出る。

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