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BG2, ToB, 第8章、バールの子ギャヴィッドの話、血の呼びかけ

<ポケットプレーンにて。主人公は今は亡き者であるというギャヴィッドー主人公同様バールの子供ーに出逢い、バール*の血に従ったという彼の生前の話を聞かされる>

ギャヴィッド
「あんた…あんたはわしらの同胞だな。あんたはあのバールの子らの1人だ、そうだろう?」
「ああ…でもわしを恐れんでいい。わしは死人だ。もう何者でもない。わしはな、ある小さな農村で大きくなった…わし自身でさえ、わしの正体を知らんかった、あれがわしを訪れるまでは」
「だが、わしは自分が他と違うことは知っとった。あんたは夜中に悲鳴が聞こえないかね?あんたは殺された者の血が流れになって自分の周りをめぐるのが感じられないかね…それぞれが異なる千もの苦痛がそこにありながら、あんた自身は孤独な空洞でしかないのだ」
「しかし、それは恐怖ではない。それはあんたを招くのだ、あんたに呼びかけるのだ。そしてもしあんたがそれに応えれば、もしそれにあんたの心と魂をゆだねれば、すべてが鏡のように明らかになる。ひとつの殺人が、ふたつが、そして一千が…あんたの一部となるのだと」
「わしは同じ村の娘を3人まで殺した…そして村を追い出された。それから、わしは都会へ赴いた。都会では殺人はより容易だった。毎晩、わしは血の呼びかけを感じた。それは生き甲斐だった、わかるだろ…しかも、それは神に由来するものなのだ」
「ところが…あんたはそれを拒むのだと?なぜそんなことを?わしにはあんたが大勢を殺してきたことがわかっている。それなのに、あんたはわしらバールの子だけに許された、あの享楽は拒むというのかね。まあ結局…心配せねばならんことがあるとすれば、たった一つ…」
「…相手に報復されることだな」


*殺戮の神。これより前の時代、神々がさらに上の偉大な存在から罰されて人間となって地上に落とされた時、バールは自分が殺されることを予感して、地上で無数の子孫を作って自身の神の精髄を彼らに分け与えておいた。自分の死後、彼らに殺し合わせて精髄を回収し、儀式によって再び強大な神としてよみがえろうと企んだわけ。

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