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BG2, ToB, 第8章、ヴォロとの出逢い1、主人公についての草稿

<サラドゥーシュにて。主人公一行は酒場で著名な著述家にして旅行家のヴォロ*に出会う>

ヴォロ
「ああ、いずれ君はここに現れるとわかってたよ。私は自分に言ってたんだ、ヴォロサンプ・ゲダルムよ、心配は要らない…歴史が作られている最中ならどこであれ、<主人公>とその仲間たちがすぐそこにいるってね」
主人公
「ヴォロ?ここで何をしてるの?」
ヴォロ
「おいおい…歴史が作られてる最中とあれば、どこであれこの私、ヴォロが、起きたことをそこで記録してるとはご存じのはずだろう。まさにその現場に立ち会うのでなければ、フェイルーンで最も著名な歴史家となるわけにはいかんよ!」
「もっとも、今回はいつもより度を超えて立ち会いすぎてるがね*。だが、私に関する心配なら御無用…私はいつでも窮地を脱する方法なら見つけてきたからね」
主人公
「何かお役に立てるかしら、ヴォロ?」
ヴォロ
「そうじゃないだろ、<主人公>…私が君たちのお役に立てるかどうかがが問題なのさ。そしてお答えはもちろん、わが年代記によって君と君のお仲間を不滅にしてさしあげましょうっていうのさ」
「これまでに執筆したところを少々お見せすると、こうだ。*エヘン*『俗世を離れ外界から隔絶されたキャンドルキープで育てられた幼な子だった<主人公>は、そのささやかな旅立ちの日以来、生ける者のうちで最も力強き一人として頭角を現し、トーリル*の地表にかつてない巨歩を印すに至った』」
「『大都市バルダーズゲートを救い、狂気の魔術師ジョン・イレニカスを倒し、生命の樹を悪の手から守った…このような英雄的功業も、<主人公>の目覚ましき武勇伝の一部にすぎない。バールの子らの最強者である<主人公>の!』」
「*エヘン*君の偉業に関する私の記述はこんなところだ。もちろん、結びの部分はまだだがね。それにまだ最初の草稿なんだ。いくつか書くことを思いついても、後にまだたくさん残ってるからね…」
「もし聞く気があればだが、君と旅を共にする名誉を授かったお仲間について私が書くつもりのところを、少々お聞かせしてもいいよ」


*D&D界に登場する著述家&冒険家&魔術家。ウヌボレに近い自信家で、饒舌で派手好みで、筆や口が大いに滑りすぎる傾向があるが、大変に愛嬌のある愉快な人物。大魔道士エルミンスターの友人でもある。
*主人公やヴォロが今いるサラドゥーシュの町は、凶暴な巨人の軍に囲まれて攻撃されており、住民らは雪隠詰めの状態。
*D&Dでは地球に相当する惑星。トーリル一と言えば世界一というようなもの。なお、フェイルーンはトーリル上にある、地球で言えばヨーロッパみたいな感じの大陸の名。

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