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BG2, ToB, エアリーとエルダリスの対話、エントロピーの体現者

<エルダリスは主人公のPTのバード、エアリーは同じPTのエルフの女の子>

エアリー
「エルダリス…あなた、もう何時間も私たちのリーダーをそんな顔で眺めるのをやめないわね。ちょっと失礼だと思わない?」
エルダリス
「自分でも目が離せないんだよ。ドゥームガード*では、僕らは覚醒すれば破滅を世にもたらすというエントロピーの力を讃えてたものだが…日を追うごとに、その力が、僕の目の前で人の形になっていくんだからね!*」
エアリー
「あなたの言うこと、わかるわ。何だかちょっと神経に触らない?<主人公>はよくあれに我慢していられると思うわ」
エルダリス
「いや、違う、違う。全然そんなことじゃないよ、僕の小鳩さん。僕は、これこそ僕が今まで目にしてきたなかで一番、素晴らしくとてつもない変身だと思うんだよ!」
エアリー
「ほんとに?」
エルダリス
「そうだとも。僕の心は今なおあのスレイヤー*のイメージに打ち震えている…そして、<主人公>が今度はどんな姿に変わるのかと思うと、僕はもう全身の細胞からしてゾクゾクしてしまうんだ!君にはその姿が想像できる?」
エアリー
「ときどき、わたし、あなたってとっても変わった人だと思うわ、詩人さん」
エルダリス
「うん、間違いなしさ、小鳩さん。間違いなしだとも」


*エルダリスの故郷の異世界シジルで信仰されている思想。あらゆるものは破壊(エントロピー)と滅亡に向かうのが自然であり、それは悲しむべきというより好ましいことである、というようなもの。とはいえ積極的な破壊を推奨するものではなく、老荘思想みたいな虚無的なものに近いと思う。
*主人公は殺戮神バールの子だが、ToB(Throne of Bhaal、バールの王座)は他のバールの子を倒すことでいよいよバールの精髄が主人公に集まっていくという背景になっている。
*ToBの前のストーリーSoA(Shadows of Amn、主人公と悪の魔術師イレニカスとの戦いを描く)で、イレニカスにバールの神性を持つ魂を奪われたことで主人公が抑制できず変身してしまうようになったバールの化身のひとつ。凶悪な殺戮欲の権化。

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