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BG2, SoA, 第7章、エレシームとイレニカスの対話、愛の喪失、喪失への復讐

   ***最終盤のクライマックス、ネタバレ注意!***





<サルダネッセラーにて。悪の魔道士イレニカス(エルフ名はジョンレス)は、かつて自分を追放した恋人にしてエルフの女王のエレシームと生命の樹*の前で相まみえる。イレニカスが追放されたそもそもの理由は、他者の生命を危険に晒してまで神の力を求めたことだったが、今ここに再び舞い戻った理由は…>

エレシーム
「そして何のために?力?今のあなたは力を求めるためだけに生きているの、ジョン?」
ジョン・イレニカス
「それしかー今の私にはないのだ、エレシーム。他の何ものも私の復讐を求める気持ちには及ばない。君が私にしたことへの、セルダリン*が私にしたことへの!」
エレシーム
「その復讐への執念があなたの心を毒したのよ。ずっと昔、生命の樹はあなたにも触れていたのに、あなたはそれを覚えていないの?あなたの心は愛について何も覚えていないの?」
「あなたの中に*私たちの*愛の思い出は何も残っていないの?あなたが復讐に取り憑かれる以前、私たちが分かち合っていたものをあなたは思い出さないの?」
ジョン・イレニカス
「私はー」
「私は君の愛をおぼえていない、エレシーム。思い出そうとはした。愛を再生することによって、私の思い出の中にあるはずの愛をよみがえらせようとした。だが、愛はなくなってしまっていた…うつろになって、死んだ後だった」
「何年ものあいだ、私は愛があったころの思い出にすがりついていた。それから、その思い出のまたその思い出にすがりついていた。そしてそれからー何もなくなった。セルダリンは、それをも私から奪ってしまった」
「君を見つめても、私には何も感じられない。君が他の者とともに私に背を向けたこと以外、何も思い出せない」
「かつては、力への渇望が私のすべてだった。しかし、いま私は、復讐することのみを欲するーそして、必ず、それをやり遂げよう!」
エレシーム
「なら、あなたという人が傷ましいわ。あなたが復讐のためむだにした限りある生の時間*を、この聖域に戻って来るにふさわしいことのため使ってほしかった」
「私は今のあなたを再び愛せたかもしれないのに。私がかつてのあなたを愛したように。でも、あなたのどこにもあの人の面影は見えない。あなたは、イレニカス。そして今、あなたを待つものはー死だけ」
ジョン・イレニカス
「今にわかるさ、かつての恋人よ、今にわかるとも」


*生命の樹はエルフ族の不老長寿の源だが、かつてエルフ界の偉大な魔術師だったジョンレスは、神の力を渇望してこれから力を奪おうとし、エルフ族に甚大な危機を及ぼした。詳しいことはこちらを参照。
*一統としてのエルフ族の神々の称号。エレシームはセルダリンに請願して、ジョンレスとその妹ボーディからエルフの特権をことごとく剥奪する呪いをかけた。詳しいことはこちらを参照。
*ジョンレス/イレニカスは呪いによりエルフの特権たる不老長寿を奪われたので、人間に等しい短命。

*バルダーズゲート2の冒頭のイレニカスの研究所にいた美しい囚われのドライアドたちや、優雅な”妻”の部屋や、”彼女”のクローンは、セルダリンの呪いにより奪われた自分のなかの愛情をよみがえらせようと足掻くイレニカスの苦心によるものだったわけ。ドライアドが「彼は冷たい」と言ってたのもここでやっと納得がいく。


***ちょっとネタばれ***


*イレニカスは戦闘開始と同時に防御呪文と同時にスペルシールド&スペルトラップを張ってくる。まずシークレットワードなどでスペルシールドを剥がし、それからスペルストライクかルビーレイでスペルトラップを剥がし、それからブリーチやディスペルで防御を剥がして、やっとこさ普通に殴れるようになる。がそうこうしてる間にタイムストップが、そしてその間にパワーワード・キル/スタンを念入りに設置されてしまいます。PTの可能なメンツはあらかじめデスワードやスペルイミュニティをしっかりかけときましょう。こちらの魔法防御もディスペルされるし、対応を間違わんように…


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