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「でも」のつく人生

私は知らない人から見たら恵まれているように見えると思う。
給料の高い仕事、まあまあ人に好かれる顔、五体満足で大きな持病もなく、巨乳でまだ若い。
両親も離婚なんかはしていなくて、兄弟も二人いる。実家は自営業で、学生時代には海外旅行にたくさん行った。
彼氏もいるし、きっとそのうち結婚する。
一般的な幸せを全部手に入れているように見える。

しかし、その裏側には「でも」が多い。
例えば、給料の高い仕事で業務内容も結構楽しくなってきた、でも部長はたまに暴言を吐くしストレスを感じる。
こんなふうに。

まあまあ人に好かれる顔、でも私はアホっぽい自分の顔がそんなに好きじゃない。
大きな持病はなく健康、でも幼少期から不眠症で月に一回病院に通って眠剤をもらえなければ私は一睡もできない。
巨乳で若い、けど前の会社はセクハラに耐えられなくて辞めた。
両親も兄弟もいる、でも幼少期は虐待をされていたし妹もうつ病、姉も愛に溺れて私を裏切った。
学生時代の海外旅行は奨学金を使い込んで行ったし、元カレとの今では黒歴史みたいな思い出の宝庫。
私の人生には、友達の知らない「でも」がたくさんある。

彼氏もいる、でも……

彼氏には、「でも」がつくような好ましくない部分は私にはなかった。
それは私にとって完璧なことの何よりの証拠で、私は絶対にこの人を離してはいけないのだと強く思った。
「でも、別れてしまった」「でも、浮気してしまった」「でも、昔ほど好きじゃない」なんて悲しい結果になりたくないなと思った。
彼氏に「でも」がつく日が来たら、それは私にも原因があると思う。
でもばかりの人生だったとしても、この関係だけはでも無しでいられたらいいなと願わずにはいられない。

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