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子供の風邪、大人の風邪

久々に風邪を引いた。

風邪を引いて甲斐甲斐しく看病してもらえるのは子供時代だけなのだと実感した。
差し入れをしてくれる恋人も、おでこにキスをしてハグするだけで去ってしまう。
みんな、働いているから。
各々仕事があって、生活がかかっている。
「愛しているから」「かわいそうだから」
という理由で長居して濃厚な接触を重ねて
共倒れしてくれるわけにはいかないらしい。

子供時代は、風邪を引いた時だけ両親の寝室で寝ていた。
子供部屋には姉や妹がいて、風邪をひくと嘔吐しがちだった私は隔離されていた。
昼間に寝過ぎて眠れない時は、夜遅くまで
ディズニーチャンネルを観ることができた。
母親が観ていたスマスマを一緒に観たことも、普段なら絶対に許されないのに、怒られなかった。
特別ルールが適用されて、学校が休めて、甲斐甲斐しく甘やかしてもらえる病欠の日が私は嫌いじゃなかった。
むしろ好きだったようにも思う。

今はどうだろう。
微熱が出てもリモートワークで仕事をしているし、ちっとも休めたもんじゃない。
誰も私の調子なんて気にしないし、普段通りのパフォーマンスを求められる。
病原菌なんて糞食らえだ。
子供時代に一生分の風邪を引いてしまいたかった。
大人になっても体重が適正体重まで増えても、私の免疫はどうやら強くならないらしい。

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