何故マネージャーにならないと給与が上がらないのか

マネージャーにならなくても高い報酬を受けるべきではないか

　日本では偉くなって給与を上げる方法が管理側に行くことしかないから、スペシャリストが冷遇されている…

　近時やや見直しは入りつつあるものの、これは実態としてはその通りで、昔営業だった自分もこれはどうにかならないかなと思っていました。と、いうのも、営業というのは業績の個人差が大きいので、平均の倍やる営業というのは結構ザラにいますし、凄くなると3倍とか5倍みたいな人材もいる訳で、じゃあ必ずしもマネージャーにならなくてもプレーヤーで高い給与を貰っても良いじゃん、と思っていたものです。

大きな仕事をするなら結局は人を動かすしかない

　と、若い頃は思っていたのですが、ここ最近やや考えが変わりつつあります。やはり良い待遇を得たり、大きなことをしようと思ったらマネージャーを目指すしかないのかもしれません。その心は、端的に言ってしまえば一人の人間ができる仕事というのは多くの場合、正直言って大したことがない＝ある程度の仕事をしようとすればチームプレイをせざるを得ない、からです。

　「5人分売る営業って凄いやんけ！」と現場にいる時は思っていました。が、それは全国規模で見た時に如何ばかりか。あるいはチームでストラクチャーを組んで、数年かけて取りに行く様な案件と比べた時の単純なロットで言えば、通常の営業5人分というのは「平均よりは貢献している」程度のものであって、大きな案件や全社規模で見た規模としては正直を言えばそれほどではありません。もっと言えば、全社規模で「これは！」という仕事をしようと思えば、一人ではどうしようもない、人を巻き込んで動かす以外の方法がなかったワケです。

若い頃分からなかったマネージャーの本当の仕事

　マネージャー、課長、等と言えば、昔担当としての視座からは「管理や評定、指導をする人」と見えていたものです。しかし、今少し年が行って思うのは、それらは下から見える末端の仕事に過ぎず、本当に重要な仕事は方針を決める、企画・案件・プロダクトを創る芯になるということです。例えば特定のエリアを攻める時にどこを狙うか、何を売りに行くか、どういうロジにするかを自ら考えて、売上を作りにいくことがその仕事であって、課員というのは与えられた役割の中で5倍の売上を上げれば、重要なパーツにはなれますが、どれだけやった所で売上や商流を立ち上げに行く立場にはなれない、ということです。つまり個人としての売上がどれだけ大きかろうが、マネージャーとそれ以外とは本質的に性質を異にするロールなのだと思います。

　これはスペシャリストであっても同じで、結局は大きな仕事をすることになれば、スペシャリストといえども束になってかかるしかないのです。例えば会計の分野で大きなPJにおいて会計部分を統括して担務するのであれば、会計の一般則は元より、固定資産、連結、デリバ、税と言った深い所に入っていく必要があり、それらを一人で完璧に掘り下げて最新の論点を熟知してる人…なんてのは普通はいません。それぞれに専門家がおり、結局はそれを束ねて一つのPJに取り組んでいくしかない、勿論全体にある程度精通してないとそんなことはできないので、自身がスペシャリストでありつつ、結局は人を束ねる事に向かなければ大きな物事は動かせないという点は変わらないのかな、と思います。

どうすれば人を動かす事ができるのか

　では、結果的に人を動かせている、もっと言えば周囲をついてこさせることができる人というのはどの様な人なのでしょうか。これは恐らくは様々なやり方があって、例えば恐怖政治を敷く人、人望で人を動かす人、一芸があって搦手を攻める人と色々います。が、全体に共通して言えるのは、基本的には好かれている方が有利ですし、最終的に大きく人を動かせる人は「奴の為ならしょうがねぇな」と言って貰える様な人ではないか、というのが最近感じることです。

　が、同時に舐められてしまっても話にならないので、優れたリーダーというのは
「恐れられつつ同時に愛される」
という実に矛盾した存在で、それ故にかじ取りが非常に難しく、更には業務そのものに秀でて尊敬されるという、広範な適性を一人で持っていなければならず、リーダーという存在は必然貴重、それ故に高級で報いなければいけない、そういうことではないかと思います。
（昔プレイしたモンスターファーム2で「忠誠度」が「甘え」と「恐れ」の合成で決まっていたのは今にして思えば大変よくできていたな、と思います）

マネージャーを目指す為にできる事

　ちなみに私は下っ端もいい所なので、マネージャー、リーダー云々の話は悲しいほど関係ないのですが、もし仮にそこを目指すとしたら何が必要なのだろう、ということを自由に考えてみると、何かのプロフェッショナルになること、評価される結果を残す事は元より、やはり薄っすらと好かれていないと難しいのだろうなと思います。それは、例えば仕事を積極的に拾って断らない、自ら割を喰いに行く、人より長く働く、ネガティブな言葉を使わない…結局は何時もの地味で地道で一つずつ、という話に尽きるのかと思います。

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ちょっと私には無理そうなのでこれからもインターネットおじさんとして頑張っていきますね…