企画職になりたい方へ

 先日、ふと気づいたのですが、私は営業としてサラリマンを始め、そこそこ長い事やってきた自負もあったので、自分のアイデンティティと言えば営業のつもりでいました。それが気が付いたら企画職としての職歴が営業としての職歴を超えていました。…企画、と言ってもその実態は何でも屋みたいな所もあり、気が付けば色んな部署で商品企画から、事業企画、営業企画までまぁ色々とやってきました。

 例えば、商品企画であれば、どんな商品を、どこの誰に売って、それはどんなフローで、カウンターパートは誰で、どんなマニュアルを作り、会計はどう処理して、システムにどんなデータを持たせて、何を吐き出させて、契約書をどう作り、イレギュラーにはどう対応し、かかる税はどう計算して、本社費を按分したら結局採算はどうなのか?そんなことを考えてプロダクトに落とします。それが新しいものであれば、新規商品企画になるし、既存商品でも売れ行きを管理したり、トレンドに合わせて内容を変更したり、システムや法律が変わるとなれば、それに合わせる作業なんかも必要になるので、そうした面倒を見ていくというのが業務内容になります。その対象が事業全体であれば事業企画になり、営業領域をどうするかの整理なら営業企画になる、という感じです。

 企画職については、希望される方は結構多い印象です。なんかゼロから作り出す感じがするし、ノルマも無いですし、ちょっとオサレな感じしますよね。ですが実際結構難しい側面も多く、自分より後に来た後輩が自分より先に出ていく所を何度も見送ってきました。正直言えばかなり人を選ぶ業務ではないかと思います。そこで今日は折角なので、どんな人が企画職に向いているか、どんな人が向いていないか、最後にどうしたら企画職として呼ばれることができるかを私なりに考えてみたいと思います。

1.企画職に向いてない人

1-1.自称アイデアマン
 企画職を志望される方の中には「我こそはアイデアマン」という方が結構いる気がします。こういう方は、新しい物好きで、アンテナが高くて、派手派手でかっこいいパワポ作ったりするのが得意な印象です。で、こういう我こそは、という方が企画職に向いてるかというと、個人的には適性が無い事が殆どな気がします。

 と、いうのも、企画職に必要なアイデアとはデータを積み上げた先に必然の結論して転がってるものであって、そうしたファクトに基づかない「なんか良さそう」みたいなものが入り込む隙間は殆どありません。後、雑誌とかでトレンドとして喧伝される様な物って、正直全然金にならない事が多いです。まぁ、トレンドを追っかけるのも一つの要素ではあるので、部に一人くらいはそういう人がいると何かと便利ではあるのですが、逆を言えばそういう人は一人くらいいればいいかな、というのが正直な感想です。

1-2.計数観念の無い人
 1-1にて記載の通り、基本的にファクトに忠実に業務を行うのが企画の基本なので、判断は多くの場合定量データもしくは有効なリサーチを基礎として行う事になります。また商品でも事業でも営業でも、それが商業である以上、継続できる為には収支が回ってる必要があります。後、何か特定の施策を打つ時にそれが全体の収支に良い影響があるのか、悪い影響があるのか、全ての判断には根拠が求められ、多くの場合それは定量的である必要があります。その前提となる計数観念のない人にやってもらえることがあまりありません。

1-3.結果にコミットできない人
 昔、隣のチームで事業企画をしていたチームで、業績が上がらない事に対して「精一杯やろう!」ということで、現地で声を張って呼び込みをしたりポスティングを始めたチームがいました。勿論、効果がゼロだったってことはないでしょうし、熱意は大事です。でも当該事業は呼び込みやポスティングで結果が左右されるものではありませんでした。彼らも多分それはそれとして頭のどこかでは理解していたんでしょうけども、結果が出なくても、し振りを見て貰えないかと考えたのかもしれません。しかし企画は結果に対して少なくとも営業と同程度にはシビアです。ここで彼らがしなければならなかったのは、原因の分析と有効な対策の検討、そして出血を最小限にとどめる判断でした。結果ほどなくてして隣のチームは解散になってしまいました。頑張ったかどうか聞いてなくて、結果がどうだったかが大事なんです。

2.企画マンに持っていて欲しい能力

 じゃあ、何ができる奴が欲しいんだよ、という話になりますよね。それでは私なりに必要と思う所を7点書いていきます。実際に私が企画に引っ張ってもらった理由なんかも一部書いたりしてますので、もしご興味があれば。

2-1:一次ソースを読解できること
 企画職と言えば

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