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イメージを変える 「僕のテストプレイ会参加備忘録」

1.テストプレイ会3度目

9月に入り、思い立ったかのように3度のテストプレイ会に参加した。
さらには先週だけで2度のテストプレイ会への参加だ。残り1回は自分が主催するボードゲームのクイズ会である。

足繁く参加するようになったきっかけは、主に、自分が次回ゲームマーケット2022秋で頒布する予定のボードゲームクイズ本の中身の確認ではあるが、そのほかのサークルの、今秋発売の新作などをチェックする気持ちも湧いたこと、加えて、告知をSNSだけで済ませるだけではなく、自分の手や足を使い、きちんと周囲に体感し知ってもらうことが、広報活動として何より大切ではないかと勘づいたからだ。

9月の各種ボードゲームイベントも一段落し、ゲームマーケット秋まで1ヶ月半に迫った今の時期から、「ゲームマーケット個人的注目作」を綴るブログや、SNSでの自薦、他薦のツイートも頻出するだろう。

自作の宣伝ツイートを定期リツイートしたり、数年前から見かけるようになった「参加を予定する方の「ゲームマーケットのオススメ教えて」のツイート」に宣伝をリプライして回るだけの告知では、さすがに他と違う「クイズの本」という媒体では相手の食指は動かないだろうし、まして「注目作」を挙げるブログに僕のサークル名が上がったことなどあっただろうかいやない(即答)、と、サークル出展6年目にしてようやく気がついたのだ。いやはや、遅すぎた自覚である。

2.川崎市フリップドロップ様「テストプレイクイズ会」

FLipDrop様、お店には早押し機も完備

一度目は8月28日、川崎フリップドロップ様で自分が開催したテストプレイクイズ会だ。
ボードゲームのクイズ、という聞きなれない響きもあり、参加者ゼロならカフェで一人説明書読みでもして過ごす心づもりだった。
幸いにも一名の参加があり(ポポロン様ありがとうございます)、また、クイズを続けていると、店員の方も興味を示し、周りの方を巻き込んでのボードゲームクイズ会が始まった。

早押しボタンと、作成中の目次ページ


なまじ声の大きい僕を、入口近くの「多少の大声なら大丈夫」な箇所に移動させてくださった店員さんの配慮もありがたかった。


3.錦糸町「平日テスプ会!(あ~んど試遊会) vol.3」

9月12日(月)、ゆうかり様主催、東京都錦糸町のボードゲームカフェ「C&A cafe」様で開催された。

C&A Cafe様、店長、オーナーがとても気さくでした。


参加者募集のツイプラに並ぶ有名ボードゲームサークルの面々に気後れしながら、勇気を振り絞って参加した。

全員が集まるまでの時間に、持参した早押しボタンと、ゲームマーケット秋に向けて製作中の拙著ボードゲームクイズ本新刊「プロミネンス」を広げる。
この一年を通じ、各所でちょこちょこ出題したクイズも混じったとはいえ、制作は手助けもアドバイスもなく、結局ひとりで考えるばかりだ。
今回の「まとまった時間に集中してプレイできる時間」が、実際に本を購入された方のプレイ環境を雰囲気として知ることができた。これだけでも大きな収穫だ。

次第に他の参加者も集まり、早速他の方の作品をプレイする。

ヤブウチリョウコ様、「ファッションコーディネートゲーム」

「#なに着る」まで用意された作品
ファッションセンス皆無の僕は苦しい展開

カラフルな絵柄カードの上に、服飾の形で繰り抜かれたパーツをあてがい、お題に示されたコーディネートを行い、他の方にテーマを推理してもらう。

写真奥が「各人のテーマ」

服装の型抜きで服飾を表現する作品は珍しいと思い(CANVASなどクリアタイルを載せる作品はまま見かけるが)また、実際のコーディネートも、着るものは何でもいいズボラな自分より、服飾に詳しいであろう女性陣が着々と点数を重ねる。
創作者がタイルを斜めに配置し、アクロバッティブな服飾を狙った点も面白かった。
事前に用意されたハッシュタグで意見を拾いやすくする点、クラウドファンディングに加え、カードには英文も記載し、グローバルな視点で販売を予定されている点など、ゲームマーケット以外での販路も含めた多数の目を意識されている視点は大変勉強になった。

ぴよよ屋様「仲良シふれんず」

「初めての方にもオススメ!」とありましたが同意できず。
3ゲーム合計マイナス118点の図

こちらは9月開催「アナログゲームフェスタ」でも販売されたトリックテイクだ。
専門的な説明で申し訳ないが、マストフォロー、切り札なし、獲得したカードはリードカラーを除きすべて獲得、獲得したカードの数がそのまま失点となる。
3の倍数のカードは点数を合算しない「付札」のルールもあり、自分の負けが確定できた際は相手に追加で点数を押し付けることもできる。
手札を無くしたプレイヤーが現れたら1ゲーム終了、「仲良シ」のタイトルと、独特のゆるいイラストからは想像だにできない、言うなれば「友情破壊ゲーム」と呼べるのだろうか。
キャラクターのカードが一枚一枚違ったり、さらには「文章で綴られた説明書」を作らず、簡単な奥付の記載された説明漫画が入った意欲作である。「ルールライティングが難しいなら、省いてもいいのではないか」と考えるうちに「説明書の意義とは…」について小難しく考えてしまった。
そんな何でも挑戦できる個人制作の強みのようなものをひしひしと感じた。

フェイ様「クロイツ」

数時間でここまでできたことに驚き。

2色のカードを組み合わせペアを作成、山札がなくなるまでに規定の点数を獲得した上で、1ターン誰からも妨害されなければ勝利となる。
数時間前に思いつき、即座にカードにまとめた、とのこと。特殊効果に若干の難点があり、その点を多くの方に指摘はされたものの、こうした「思いついた作品を試せる場」が本来としての使い方だなと心の中で考えた。

夕方の第二部も大勢の作品に触れ合えるかなと頭をよぎったが、自分の創作が未完成だったこともあり、早めに帰宅させてもらった。

3.横浜はまりばカフェ様「第8回テストプレイ会」

二日後の水曜日、横浜「はまりばカフェ」様で、ハコニワ観光局「外」様主催のテストプレイ会にお邪魔した。

うちから比較的近傍の「はまりばカフェ」様


外さんは先日のアナログゲームフェスタで新作「玉石」をリリースされたばかり。
今回は主催に周り、全体の時間管理を、自前のキッチンタイマーで測りながら場の流れを組み立てていた。
時間があればあるだけクイズのできる自分は順番を最後にしてもらい、まずは秋発売を控えた作品を体験させてもらった。

BBBox様、「Troppo」


1時間で説明書読み→チュートリアルまで

ボードゲームやカードゲームなど多彩な作品を展開する老舗サークルの新作は、テキストアドベンチャーとカードゲームを併せ持ったような作品だ。
Troppo(トロッポ)と呼ばれる異世界へと迷い込んだ主人公(プレイヤー)が、物語に沿う形で依頼などをこなし繰り広げる、一人プレイ専用のカードゲーム。今回はテキストを読みながら「わからない箇所、引っかかる箇所があれば上げてもらう」方式だ。
プレイするだけではなく、こうした「説明書の説明で不安があるか」のチェックも、今回のような会を通じ利用することもできると知った。書籍を頒布する自分もいつかこんな利用法を試したい。


ボドゲ製作委員会様「GRADO」


リモートでアドバイス、っていいですね(できない僕)


昨年秋新作「シュラハ」のファンタジー色溢れる世界観とは真逆に、白い六角形タイルには、主軸となる線と幾何学的なマークが施されたのみ。まるでベンゼン環のような科学的な記号が並ぶ。
ルールは至ってシンプルで、道を封鎖しないよう引いたタイルを配置し、手駒に持ったキューブを指定された箇所に配置、多角形エリアが完成できた際は頂点の数だけ得点となり、配置されたキューブの点を比較、上位2位までエリアの得点を獲得できる。総得点の多いプレイヤーが勝者となる。

線をつなげるだけのシンプルな構造とは真逆に、1ターンに3ターンまで自由に行動できるため、その組み立てなども考えなければならない。引き運に頼る場面も多かったが、ルールを聞いて即座に理解のできた点も相まって、3人でワイワイ盛り上がりを見せた。
遠方で活動されるLotus Games様とも親交があり、オンライン上で制作のアドバイスなどを頂戴されたという。オンラインを活用されたテストプレイの形式になるほどと関心しきりだった。

3.多彩さを実感したイベント(まとめ、と、少し告知)

いまだ感染症の脅威にさらされる中、テストプレイ会、そして、ゲームマーケット秋の試遊会、いずれも多くの創作者がそれぞれ違った視点を持ち活動される点を窺い知ることができた。
春→秋までの期間で、創作するだけでなく、事前に開催されるボードゲーム等のイベント、クラウドファンディング、さらには海外に向けた展開など、数年前に比して、ボードゲームの販路の多彩さと、知っている人は早速手をつけ始めている事実を改めて痛感し、そうした情報や最新機器に疎い自分は胃が痛くなる思いがした。

また、テストプレイ会の活用方法も、単に遊んでもらうだけではなく、「厳しい意見も含めてどんどん意見を上げてほしい方」「もう雛形は整ったので、遊んで感想を聞かせてほしい方」「説明書の書き方で本当に理解が整うのか」「リリース後なので積極的にアピールしたい方」など、参加される方三者三様の活用方法があり、それも大変勉強になった。

もちろん、僕の扱う媒体がボードゲームそのものではない「ボードゲームのクイズ本」ということもあり、クイズ=「テレビのクイズ王が解くもの」とイメージされる方の意識を変えるに至らない点に加え、中身を大々的に宣伝するとネタバレ(問題の解答)をはらむこともあり、Twitterやゲームマーケットの公式ブログだけで魅力のすべてをアピールすることは難しい。
テストプレイ会でも、写真を撮り損ねたり、早押しボタンだけが並ぶ画像だけでは、オンラインでチェックされる方に向けて拙作の魅力を知ってもらうには不十分にすぎるだろう。

だから僕は、「広報するくらいなら創作に時間を割く!他より抜きん出た作品ならばきっと誰かが拾って紹介してくれるだろう」と、漫然と誰かに注目作として拾ってもらう考え方を一切合切捨てることにした。
具体的には、今年秋は、これまでとは考え方を変え、なるべく時間を見つけて、積極的に試遊イベントへ参加すると決めた。
実際にクイズに挑戦、体験してもらい、自分の手で、言葉で、作品をアピールし、楽しかった、難しかった、買う買わないも含めた、参加・体験された方のどこか記憶の片隅に残るような広報活動を行うことにした。もちろん基本的な感染症対策は万全にした上で、だ。

今後の予定として
9月28日(水)東京都巣鴨ボードゲームカフェ有明亭「ゲムマ直前試遊会!」
10月9日(日)千葉県市川市文化会館「EVA FAST」
10月22日(土)神奈川県厚木市アミューあつぎ「第4回ミスボド本厚木」
それぞれに早押しボタンを持参し、ボードゲームのクイズを展開する予定だ。

また、Twitterも日に日に仕様が変わるため、今年に入りInstagramなども活用し、創作をアピールしている。興味が湧けばTicTakなどにも手を出そうと思う。

内容からイラスト、デザイン、発注、さらには告知や販売まですべてをひとりで担うサークル運営も早6年目となった。
前回参加のイベントから次回はより楽しんでもらえるよう、創作とともに成長できるような、それは何より、応援される方、初めて当サークルを見聞きされた方が「次にまた行けば面白いことがあるかもしれない」と期待されるような、そんなサークル展開を心がけたいと願う。

今回のテストプレイで得た知見を踏まえ、有意義に、そして貪欲な姿勢で、作品をアピールしてみようと思う。そのためのテストプレイイベントを主催されるカフェ、そして主催者、参加者、皆さまの心温まる対応に「本イベントがあったからこそ、作品がより良いものへと進化できました」と、心からの感謝を述べたい。


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