アラビアンナイト 三千年の願い

マッドマックスのジョージ・ミラー監督作品。というと、アクションアクションや派手な展開を期待されるかもしれないが、この映画はそういう映画ではない。おそらくはこの主人公のように中高年層がターゲットで、怖い要素はあるものの、全体としては落ち着いたイメージのミステリーファンタジーという位置付けが正しいのでは。
そう、この映画怖い。冒頭の、講演していたら客席にジン?がいるところからして怖い。このシーンが怖いのは、またティルダ・スウィントンの演じる主人公が、信用ならない語り手になってしまうからだ。で、この先は先行きの見えない怖さが持続する。

あと、私が感銘を受けたのは絵としての完成度。砂漠の砂に映える空が印象的。あと柳下毅一郎さんも大好き、私も大好きなティルダ・スウィントンの演技。舞台の方は、場所はホテルの部屋の中で固定されつつ、ジンの話によって世界に展開していく。ジンが出てきたとき、「これってアラビアンアイトじゃなくってアラジンと魔法のランプじゃない?」と思ったが、この構図ははさにシェエラザード姫が王様に夜な夜な語るのと同じ。これもいい。

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