MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

すごいタイトルだよねえ。内容は、タイムループを上司に気づかせないと終わらない話。ど直球そのまま。本作は『そえまつ映画館』で、確か添野知生さんがベスト10に挙げられていたんだけど、このタイトルのおかげで、なんとなく敬遠していた訳です。が、時間ができたのでTOHOシネマズ日本橋に行ってきました。なんかスクリーンがTCXというやつで広いとこで観られた。

あまり過大に期待しないで行ったところ、それをいい意味で裏切る、ウェルメイドな作品でした。まあ先にも書いたように、タイムループものなんて、最終的にはタイムループから脱出することが物語の終着であることは分かっているので、後はその中にどれだけ工夫を入れられるかというところなんだけど、ベースの部分では過去の作品を踏襲しているところもありつつ、新しい工夫も入れていて、新鮮に観ることができた。それともう一ついい点は、あまり説明で語らず、「あっここ前のループと変わってる」みたいな楽しみを観客に与えてくれること(ここは後ほど詳細に)。それと、主演の丸井わんさん、上司のマキタスポーツさんをはじめ、みんな役者がいい!おそらく低予算であろうこの映画で役者ががんばってるって、なんとなくカメ止めを連想する(ちなみに、カメ止めに出ていたしゅはまはるみさんも本作に出演)。あと、非常に重要なことですが、かなり笑えること。
ということで、ぜひおすすめです。

で、ここからネタバレしつつ。ループについて、過去作の設定を踏襲というのは、例えばループを繰り返すうちに、社員全員(今回は社員全員がタイムループしているという設定)が技術が上達していくというあたりは「恋はデジャ・ヴ」などからと思われる(劇中でも「恋はデジャ・ヴ」への言及あり)。一方、これは新しいと思ったのは、主人公よりも先に、別の社員がループに気付いているということ。普通は主人公だけ気付くことにするでしょ。そこがなんかよかったですね。

あと、それを反映する形で、ループが進むごとに、窓側から撮った時の森山さんの画面の絵(ふもふもクエストとかいう、ゲームイラスト?)が最初ど下手なのが、どんどんうまくなっていくところ。あと、1回目のループで吉川さんがタクシーで出かけていって、事故にあい額にガーゼをしているのだが、ループに気付いた後のループではガーゼをしなくなる。この部分の説明はないのだが、観客は「あっ回避したんだね」と納得する。この自然さがいい。演出でちょっとやりすぎかなと思ったのは、ラストシーンでみんなが墨まみれになるとこだけおd、あれはまあ、記号だからね。許容範囲で

あと、タイムループは舞台装置としての話だから、それを追及してもしょうがないんだが、今回集団ループとしたことで、ではいったいどこまでの人がタイムループの影響下にあるのか、疑問に思ってしまった。というのも、舞台となっているオフィスは普通にリープ対象の人も出入りできるので、『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』の友引町のような閉鎖空間という訳ではない。これが、『それならひょっとすると、そのループの対象はオフィス内だけではないのでは?だとすると、オフィス内だけで問題を解決できないのでは?ということなのだが、この辺はさりげなく観賞中は気にならないようにしていたと思う。

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