ポゼッサー

ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。
この映画、ネタバレなしで語るのはきついと思われ。なので勘弁してください。

主人公は、ある組織に属する女性の殺し屋。殺し屋といっても自ら手を下すのではなく、ターゲットに近づける人物の身体をジャックする。で、その人物を使って殺しを実行した後は、そいつに自殺させる。そいつを生かしといたらバレちゃうからね。で自身はその身体から脱出という段取り。こんな突拍子もない設定を最小限の説明で見せるのはすごい。それはオレたちに、GHOST IN THE SHELL耐性があるからすんなり飲みこめる…わけでもないと思う。

で、主人公はある殺しを実行するが、その後の自殺に失敗。どうやら、身体の持ち主が抵抗してるらしいと分かってくる。このあたりから、今どっちが身体を支配しているのか、どんどんややこしくなっていくのだがこの辺もうまく見せていた。それだけではなくて、本来主人公は殺し屋だから悪い奴なんだけど、身体をとりもどされる恐怖にうまく観客がシンクロできるように作ってある。

あと、風刺も効いていて、殺しのターゲットになってるのがいわゆるGAFAみたいな大富豪なんだけど、そののっとられるやつがやってる仕事がその会社でひたすら、ユーザのカメラの盗撮映像からカーテンの情報を集めてるという仕事。仕事のしょうもなさもだけど、これは今のGAFAがやってることをうまく的確に表してる。

この映画、全体としては「12モンキーズ」に雰囲気が似てる。精神転送装置にたいなやつがシンプルに頭かぶるだけとか。雰囲気だけじゃなくてある仕掛けのところも実は同じ。

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