バビロン(ネタバレ有)

デイミアン・チャゼル監督の、1920年代のハリウッドを舞台とした映画。私はこういう映画についての映画が好きなので、早速鑑賞。面白かったよ。しかし、巷では評判悪いね。実際入ってないらしいし、尊敬する柳下毅一郎さんのレビューもかなーり辛口。いったい何がだめなのか?なぜ自分はいいのか、追究していこう。

この映画、最初から品はないよね。いきなり象のクソから始まるし、その後のパーティシーンでは、おっぱい、おしっこ、おっぱい、おっぱい、ドラッグ、乱交とまさに地獄絵図。この辺でもう脱落する人いそう。後のシーンではゲロも出てくるしね。こういうところが、「先人に対するリスペクトがない」と言われてしまうあたりなんだろう。が、私は気にならなかった。むしろ的確な地獄表現と思った。

一夜明けての、セット(のシーンも同様。セットといっても砂漠の中に、複数の映画のセットがごった煮に詰めこまれていて、こちらもカオス。十字軍だかなんだかのセットの横で西部劇やってるというデタラメさ。十字軍の方はあっさり事故死する人も…

で、無声映画のカオスはトーキーの出現によって幕を閉じることになる。このネタ自体は既視感ある。が、その悲劇もドタバタにしたリテイクの嵐あたりは、この映画で一番笑える部分。OKが出たときは思わず涙が出たりした。
が、ここからは史実通りではあるのだが、このあたりから笑いは消え、だんだんと取り残された者たちの悲劇になっていく。ただこのあたりは死亡フラグが立ったり、物語としては規定路線から大きく外れなくなってしまう。まあゲロくらいか。ここは逆にブラピやマーゴットロビーら、役者の演技が(まさに作中で問題になっている演技が)支えてくれているので、この映画は面白く観ることができる、と私は思う。

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