内なる旅によって得るもの ～バート・ヘリンガーの洞察～

私が誰かを受け入れると、その誰かは落ち着きます。私が状況を受け入れると、騒がしく思えた状況は静まります。
このようにするなら、完了する必要のあるすべての行為において障害に遭遇することはありません。
すべてを判断せずに受け入れた後、私は人生の本質を妨げなく成就し、鍵となる重要な行動をとることができるようになります。 
この内なる旅の中で、正に今感じる痛み、忘れられない喪失、未解決の問題など、まだ受け入れていない課題と遭遇するかもしれません。
他に何と遭遇するでしょう？
時間です、私が必要とする時間です。 そして更なる時間が必要だと認めることで私は静まり、内なる旅を続けることができます。

傷つくことについても同じことが言えます。 痛みを受け入れるとはどういうことでしょう？ これは私が痛みについてあきらめるしかないという意味でしょうか？ 
実際には真逆です。 
私は痛みを受け入れ、それが自分自身と共に歩むことを許します。 痛みと向き合う、そうすることで私を癒しの道へと導いてくれます。 
おそらくこの痛みは記憶から消えていた場所へ私を導き、誰かを失った状況へ私を連れ戻すためです。
もしくは認識されるのを待っている、解決される必要のある過去に私を連れ戻すことです。

不安、孤独、恐れ、悲しみ、傷つくこと。私はこの痛みを抱えて生きています、それが真実です。
言い換えれば、この種の痛みは私の心の沈殿物を表します。
それを受け入れることは私の内なる旅がここで止まってしまうという意味でしょうか？ 受け入れたなら、後は痛みに耐えるしかないのでしょうか？
もちろん違います。 
多くのことをしなくても、受け入れるだけで、痛みが私を次のステップに連れて行きます。それは私の手を取り、より深くそしてより遠い場所へ導きます。

次のステップは何でしょう？
騒がしい痛みはやがて静まり、まるで使命を果たしたかのように目を閉じます。 すべてを判断せずに受け入れると、特別で貴重な時間が訪れます。 
私は身動きすらしていないのにも関わらず、何かが完全な静けさの中から目覚め、まるで私の内側から立ち上がるかのようにして、私を取り囲みます。

このような内なる旅は人生のマネージメントです。
なぜなら、すべてを判断せずに受け入れた後、私は妨げなく人生の本質に到達し、重要な行動が何か解り、それを行えるからです。

生命の働きは内側から始まり、外側に向かっていきます。 生命エネルギーは最初に内部で凝縮され、次に生活上の実践において他の人に影響を与えます。私たちは最初に内面で智慧に到達し、次に実践に適用します。人生のマネージメントも内側から始まり、外へ向かいます。

まず自分自身の存在を愛を伴って受け入れ、置かれた状況と人生を正直に受け入れ、次に関わりのある他の人の存在を受け入れます。それから外側の世界に向かいます。 
この過程で新しい内部空間が開かれることもあります。 詩人リルケはこの空間を「世界の内部空間」と呼びました。 その空間で私は統合の状態に入ります。 まったく新しい視点、まったく新しい状態を得ます。
最後に、私たちは再び生活に戻りますが今までとは違っています。何気ない日常を通して外の世界に新しい自己の輝きが現れるのを認めます。

#セラピー  #人間関係 #瞑想 #ファミリーコンストレーション