『インフレ時代を乗り越える!失敗せずに価格を上げる究極の戦略』
皆さんは、最近「物価の上昇」、「インフレ」、「値上げ」という言葉を目にしたり耳にしたりすることが増えてウンザリしていませんか?コロナ禍を明けて、世界中で同様の状況にあります。約30年間成長を知らなかった日本では、インフレのインパクトが大きく、多くの人の生活に多大な影響を与えています。
ビジネスの世界では、値上げをする側と値上げをされる側があるわけですが、現在の急激なインフレはこの両方を悩ましています。
当社は、値上げをする側から相談を受け、解決に導くサービスを提供しているのですが、あまりに多くの倒産や廃業が街に溢れている現状を見過ごすわけにはいきませんので、今回は超有料級の「失敗せずに価格を上げる究極の戦略」を公開したいと思います。
このブログをご覧頂き、上手に値上げして、客離れを抑制し、利益を回復して頂きたいと思います。
まず、失敗する値上げの具体的な例として、どのような方法があるのかを探ります。
失敗する値上げ例
①量を減らす:
スーパーに行ったりすると良く見ますね。「あれ?こんなに少なかったっけ?」って思う事多いですよね?
価格を維持又は値上げ幅を少なくして、量を減らす方法です。
居酒屋でお気に入りの料理の量が以前よりも減っていたらどう感じるでしょうか?一見、料金は変わらず、コストを抑えられると考えられがちですが、お客様の満足度やリピート率には大きな打撃を与える危険があります。
はっきりと申し上げるならば、お客様の心情は「騙された!」です。
②値上げニュースとリンクした値上げ:
「小麦粉や卵の価格が上昇!」といったニュースが流れた直後に、それに便乗する形で即座に価格を上げるのは避けるべきです。なぜなら、消費者はそのタイミングでの値上げを受け入れにくく、単なる機会主義(変化する状況に応じて行動すること)と捉えてしまう可能性が高いからです。
要するに便乗値上げというものです。決して利幅を増やそうとして値上げしているわけではないのに、お客様からは「便乗して儲けようとして!」と反感を買ってしまいます。
③一律に値上げする:
全ての商品やサービスを均一に同じ割合で値上げする方法です。例えば、全ての料理や商品価格を10%上げるような方法です。一見、管理や計算がしやすく、お客様にも受け入れられやすいと感じるかもしれませんが、これには落とし穴があります。
各商品やサービスの価値や原価、そして顧客からの評価や需要は異なります。例えば、ランチ定食700円が850円になったとします。それに合わせてソフトドリンクのコーラ350円が450円になったらどうでしょう?「小瓶コーラが450円???ずいぶん高くないか?」と感じる事でしょう。
一律の値上げは、値上げが許容されるものと許容されないものが一律に上がる事で、お客様が「高くなった」と感じやすく、競合他店やサービスとの比較で不利になることも考えられます。
では、逆に失敗しない値上げとはどのような方法が考えられるのでしょうか?
成功する値上げ戦略
①値上げミックス:
全ての商品やサービスの価格を一気に上げるのではなく、まずは一部の人気商品やサービスから徐々に値上げを実施し、その反応を確かめながら範囲を広げる戦略です。これにより、お客様の受け入れやすさを確保しつつ、全体の価格を上げる基盤を築くことができます。
この戦略は、飲食店などでの値付けで行われている「粗利ミックス」と同じ考えです。飲食店などで食材原価率は3割と言われますが、全てのメニューを3割で均一化するような店は、あっという間に閉店します。粗利ミックスがないと、値付けに面白みが無かったり、商品に強弱がなくなるので、どんなに商品が良くても購買意欲を高めることはないでしょう。値段も商品の内なのです。
値上げミックスでは、価格を10%、20%、30%、50%アップする商品もありますし、逆に現状維持だったり、値下げする商品もあったりします。そうです。お客様を混乱させつつ、お客様が良く知る商品を値下げすることで、割安感を演出するのです。(こっそり申し上げますが、某マクドナルドもこの機にセットよりもLサイズポテトやソフトドリンクでクーポンを乱発していますよね。)
②商品別売上順から松竹梅:
料金表を均一に値上げするのではなく、商品やサービスを「特選」「一般」「お手頃」といった松竹梅のカテゴリーに分けることで、お客様が自らの選択をしやすくなります。特に、「お手頃」カテゴリーを利用することで、価格への敷居を下げ、顧客の流出を防ぐことが期待できます。
実際にある旅館の宿泊プランで当社が行ったのが、「特選(50%アップ)」「一般(25%アップ)」「お手頃(5%アップ)」です。
元々13000円をベースに、15000円、17000円(各プランごとの料金差は2000円)でした。
そこを「お手頃(5%アップ)13500円」、「一般(25%アップ)18500円」、「特選(50%アップ)25000円」にして売上は30%アップしました。
この戦略のポイントは、内容です。
「お手頃(5%アップ)13500円」
リピーター対策に13500円の料金設定はほぼ据え置くのですが、売れば売る程利益は圧縮されてしまいます。そこで、買うタイミングで若干の内容悪化を感じさせるのです。旅館では宿泊プランに料理写真がありますので、同じ料理を少し安っぽく撮影するのです。
ここで重要なのが、これまで13000円で提供していた内容と同じもの(程度)を提供することです。前述の通り、購入して量が減ったり、質が落ちたのを感じるとお客差は「大きな損」を感じます。なので、内容は変えてはいけないのです。しかし、それでいいのです。
「一般(25%アップ)18500円」
お客様は購入(予約検討)段階で、値上げを許容できるお客様と許容できないお客様に分かれます。許容できないお客様にどんなに魅力を訴えても、財布は広がりません。リピーターで値上げを許容できるお客様向けに内容をグレードアップした18500円のプランを用意します。
「特選(50%アップ)25000円」
これまでこの旅館では経験のない金額帯ですが、贅をつくした内容にして売ってみました。当然リピーターは購入することはないのですが、新規客がこのプランで予約してくれました。見込み通りです。件数は多くなかったのですが、利益を十分生んでくれました。
③ボリューム増やすor無料特典を提供:
単純な値上げだけでなく、それに見合った付加価値を提供することで、お客様の不満を和らげる方法です。例えば、10%の値上げに伴い、大盛り無料やミニソフトドリンクサービスを提供することで、お客様の感じる価値を向上させることができます。
私が中華料理店の店主なら、海老せんべい食べ放題を付けますね。海老せんべいを揚げるタイムラグを作れますし、原価は抑えられますし、そんなに爆食いされることもありません。(こっそり申し上げますが、某マクドナルドも値上げしてもボリューム感は維持していますよね。某ケンタなんかは、思いっきりボリュームを減らして、客減らしに拍車をかけていますよね。)
以上、いかがでしょうか?
結論として、値上げは避けられないビジネスの現実である一方、どのようにそれを実施するかによって、お客様の反応や事業の成果に大きな差が生まれます。適切な戦略を取り入れることで、時代の変化に柔軟に対応しつつ、顧客との信頼関係を維持していくことが重要です。
当社は、旅館ホテル専門で経営コンサルティングを行っている株式会社バンディエゴでございます。
商売の原理原則を守れば、飲食店でも小売業でも宿泊業でも一緒。が信念です。
どんな業種からでも無料相談をお受けしておりますので、どうぞお気軽にお尋ねください。
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