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741日目 Cooking with Love

2023年 11月 14日 (火)

●Cooking with Love、聴きました。

この同好会は自分を鑑みない子が多すぎる、相手のためだったら何でもすると言い出す子のなんと多いことか。そしてその中でも彼方さんのそれはとても顕著で深刻だった。

これまでの子もかなりお相手中心の恋愛観を見せてはいたが、それでもなんだかんだで私が相手と一緒にいることは絶対に譲れない、というラインは守れていたと思う。果林さんを除くが。

しかし彼方さんはどうだろう。相手への好意は曲の至るところからひしひしと伝わって来るのに、その相手の隣に彼方さんが立っている、立とうとしているビジョンが全く浮かんでこないのだ。
真の愛とは花を摘むことではなく花に水をやることだ、といった言葉にあるように、彼方さんは本当に好きな相手であればあるほど、自分が近くにいることに必要性を感じないタイプの人らしい。
遥ちゃんがアイドルを辞めると言った時に、ノータイムでだったら彼方ちゃんがアイドルを辞めると言い出した当たりにもそれがよく出ている。
相手のことを思うばかりに無意識に自分自身をリソースとして消費してしまう感じは、下手すれば自罰的で自分を大切にしていないように見えてしまって、そのキャラに思い入れのある人の目にあまり良く映らないデメリットがあるのだが、しかし彼方さんが凄いのはここまで自分を下に置いているのにそういったネガティブな匂いがまったくしないことだ。

なにかの贖罪のために自分を下に置いているわけでもなく、自己肯定感が低くこんな自分なんてという感情があるわけでもなく、相手のことを考えに考え抜いたら自然と思考が自罰的な方へと向かってしまう、という不思議な感情の動きを見せているのだ。
本人にも自覚なく自己肯定感が低いのかとは思ったが、これまでの彼方さんを見てそこまで自己肯定感が低い方の人だとはどうしても思えないから困った。

本当に純粋に相手のことをただ思ったゴールがこの自罰的な結論なのであれば、もっとワガママになって欲しい。
今日の彼方ちゃんはワガママお姫様だよ~なんて言っていたが、足りん足りん。もっとだ、もっとなんだ。
そういう意味で言えば丸ごと包んでギュッとしてChu、のところはこれまで見せてくれなかった彼方さんのワガママが爆発したことを表しているように聞こえた。
何も望まない、そのままでいて、私のことはいいよと繰り返されたところからサビに入ってようやく丸ごと包んでギュッとしてChuが聴けたときの嬉しさよ、丸ごと包んでギュッとしてChuをすることができたんだね、それでいいんだよと言ってあげたい。

そして何よりこの曲と言えばやはりクッキング要素だろうか。
ここまで自分のことは良いからただ幸せでいてと願う彼方さんが、それでも何か自分にできることがないかを考えた結果が料理なのだとしたら。彼方さんにとって料理を作ることが水やりだったのなら、もう料理をする彼方さんをボーっと見ていられない、いや見ていてはいけないだろう。
彼方さんの大きな特徴である料理にここに来てこんな意味が付与されてしまうとは、あっぱれだ。

しかしこの曲、あまりに優しさが強すぎて、聞くたびにヒモを甘やかす彼女にしか聞こえなくなってくる。自分も彼方さんに甘やかされたいものだ、地雷系のあの服を着て小皿を使い煮物の味を確かめる彼方さんがいる台所を眺めながらダラダラしていたい。

いやぁ、いい曲、良いリリックビデオでしたね。















丸ごと包んでギュッとしてChu、か……


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