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901日目 誤差

2024年 4月 23日 (火)

●フライパンの取っての付け根のネジ。
あれが物を焼くゾーンの中に飛び出ているタイプのフライパンは多いが、自分が使っているフライパンの中に一つ、ネジがフライパンの中に飛び出ていないタイプのフライパンがある。
これが本当にストレスフリーなのでとても気に入っている。
例えばゴムベラでフライパンの端に着いた食材を回収するために、ヘラを縁に沿わせてぐるっと一周させるときも、ネジが飛び出ていないおかげですんなりと周回できる。素晴らしい。
これがネジ頭アリのフライパンだとどうだろうか。例えばオムレツを作るときに卵液を広げてみれば、ネジに引っかかって形が微妙に崩れてしまうし、炒め物を作ろうものなら野菜の切れ端がネジに引っかかってしまって、これをネジから外す動きがまあ面倒くさい。このたった数ミリの誤差が、本当に大きすぎる。

世のフライパンは全てあのタイプにした方がいいと思う。我が家のデカい方のフライパンと卵焼きフライパンは残念ながらネジ頭アリなのだが、サイズや形と言う強みさえなければあまりこいつらを使いたくはないなと思ってしまうほどに、ネジの頭が飛び出ているか否かは重大な問題だ。
特に卵焼きフライパンのネジ頭は本当に邪魔すぎる。なんどコイツをやすりで削って平らにしてやろうと思ったことか。卵をひっくり返したらこのネジ頭に生地が引っかかって生地がやぶれてしまって、半生の卵液がこのネジに引っかかるので洗うのも面倒だ。
全くいいところがない。本当に良いところがない。卵焼きフライパンの飛び出たネジに比べたら、普段そこまで自己肯定感の高い方ではない自分でも、コイツよりは自分の方が存在意義があるな、と安心できるくらいにはいいところがない。今度卵焼きフライパンを買う時は、絶対にネジの有無を重視しようと思う。

この数ミリの違いが持つ意味の大きさは、もう内臓手術とか、ロケット工学の域にも引けを取らないんじゃないかと思っている。
それくらいにネジの頭がないことによる快適さは計り知れないのだ。一度ネジのないフライパンを使ったが最後、横並びだったはずのフライパンたちに自動的に格付けが成されてしまって、そしてこの世界で物を焼いているフライパンの大多数は、圧倒的にこの格付けに負けてしまっているフライパンが占めているんだと言うからふざけた話だよ。

これだけネジ頭の飛び出たフライパンがフライパン界を牛耳っているのは、数ミリの差によって与えられるストレスが原因であると考えている。飛び出るネジの頭にストレスを感じ、早急にこれを改善しなければと考える人は、そのストレス故に早死にしてしまうのだろう。だから、ネジ頭にストレスを感じない人間ばかりが長生きをしてしまうせいで、いつまで経ってもちょんと飛び出たネジの頭が幅を利かせている現状がある。出る杭は打たれるんじゃなかったのか。なぜ奴はいつまでも打たれないまま、今日まで皿洗いの手間を増やしているのか。
ゴムベラの動きを阻害するあの丸っこいのをのさばらせているままで、腹は立たないのか。

みんなやすりを手に持って、数ミリから世界を変えていこう。
サンキュー。


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