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758日目 恋するSunflower

2023年 12月 1日 (金)

●恋するSunflower、聴きました。

良い。エマさんの安定感のある歌声と曲全体からにじみ出る深すぎる優しさ、一昔前のフィルムを思わせるMVの雰囲気から、果てしない童謡みを感じる。
子どもの頃におばあちゃんが歌ってくれた思い出の歌のような、長い時間をかけて多くの人に歌い継がれてきた歌のような、そんな良さがある。しみじみしてしまう良さだ、そしてそういう良さが自分は大好きなので、当然この曲も大好きということになる。

そしてこの曲はあまりに懐古の色が強すぎる。
そういえばエマさんと自分は生まれ育った国も何もかもが違うんだった……と思い出してしまうような感じだ。
これはもう間違いなく、この曲を歌っているエマさんはもう日本にいない気がする。広いスイスの大草原で、日本で過ごした日々の想い出を懐かしみながらこの曲を歌うエマさんの図がありありと脳内に浮かんだ。そして悔しいことにその映像はこの世のものとは思えないくらいに美しかった。

あなたに向かい恋をしている わたしはSunflowerという歌詞にもあるように、エマさんは想いを向けている相手を太陽のように思ってくれるほどにこちらを尊重してくれる人だよなという安心感があり、そして同時にエマさん本人の持つ力強さとあまりに自分と違いすぎる出自から来る、どれだけ物理的な距離が近くとも自分の手が届く存在に思えない不確かさもまた強く感じることができた。

太陽の方へ向かって咲くひまわりをモチーフに置くことで、エマさんの大きな特徴であるすべてを包み込んでしまう底なしの包容力、どんな相手でもしっかり尊重してくれるそんな優しさがよく表れているのが凄く良い。そんな彼女がたった一人の相手に恋をして、たった一人の方だけを向いているのだから凄いことだ。
寧ろ、太陽は一つしかないからこそ、関わり合う人みんなの方を向いてくれていたエマさんがその方向を一つに定めたことをSunflowerだと言っているのかもしれない。だとしたらすごいな。

そしてエマさんといえばで思いつく要素として、自立、というのもまた欠かせない一つだろう。
エマさんは同好会メンバー内でも一番自立した人間だと思っているのだが、それがよく表れているのが他のメンバーとの関わり方だ。
エマさん以外の他のメンバーは、どの子も誰かといる時だけ見せる顔、というものを持ち合わせていると思う。例えばしずくちゃんであれば同学年メンバー相手に見せる年相応の無邪気な姿。例えば歩夢ちゃんであれば侑ちゃんやあなたちゃん相手に見せる幼馴染特有の気を許した感じ。果林さんであれば後輩たちにはあまり見せたがらない少し抜けた姿。

誰も彼もペルソナを持っていて、日々それを使い分けて生きているものだが、しかしエマさんはどうだ。
思い返してみれば、エマさんは基本どのメンバーといる時でも変化があまりないのだ。同学年の子も後輩たちも基本みんなちゃんづけで呼び、誰でありすぐに膝枕という最強の武器で甘やかそうとして来る。この変わらなさ、揺らがなさ、たくましさはエマさんの大きな特徴だろう。
スクスタの例の事件において自分とアイドル観が違い過ぎるランジュちゃんに対してかなりはっきり拒否感を表明する感じだったり、アニメ2期3話において璃奈ちゃんから意外と芯が強いと評されているところも、間を取って私が行くよというお決まりのセリフなど、至る所にエマさんの力強さは感じ取ることができる。
そんなただでさえ自立したエマさんだが、それに加えて生まれも育ちも遥か遠くのスイッツランドというこの手が届かなそう感。高嶺の花とはまた違ったニュアンスで、彼女は自分なんぞの恋人に収まっていい人ではないだろうという思いが強くなっていく。

そして、だからこそこの歌の良さが一層染みるのだ。エマさんのたくましさを思い知れば知るほど、この歌の響き方は強まっていく。
故郷に帰ってしまったエマさんが、もう絶対に取り戻すことのできない自分との思い出を振り返ってくれているかな、くれていたらいいな、と思ってしまう自分の弱さを、遥か遠くにいるエマさんがこの歌で、その力強さで、有り余る包容力で、距離なんて関係ねぇぜと言わんばかりにやはり許容し包み込んでくれるのだ。ダメだ、泣きそう。

この曲はどちらかといえば失恋ソングに振り分けられると思うのだが、こんなに温かい失恋ソングというのは本当に希少だと思う。
果林さんのようなザ・失恋ソングもまた素晴らしく良いが、エマさんらしい失恋ソングを考えた時にこの曲はあまりに正解すぎる。
その上で失恋ソングらしい切なさも温かさと同等に感じられるのがまた凄い。写真の中で微笑み合っている二人 ずっとずっと同じ気持ちでいてね、のところの歌詞が本当に好きだ。切なすぎるしエマさんの言葉すぎるだろう。ずっとが繰り返されるのが本当に良いんだ。本当に良いし本当に辛い。

取り戻せない思い出を、夏にしか花を咲かせないひまわりに当てはめているのも凄く良いし、どれだけ季節が変わってもあなたへの想いは枯れることなんてないという歌詞にあるように、ただ切なさ儚さで終わらせることなく変わらないものも確かにあるぞと言ってのけるこの力強さ。
改めて思う、エマさんはやっぱりすごい人だ。自分なんていなくってもエマさんは何の心配もない。だって彼女はすごい人なのだから。
この曲の二人がこの後どうなるのかはわからないが、しかしもうそれはどうでもいいと思う。
これだけ自分のことを力強く想ってくれているエマさんがいるのなら絶対にもう一度出会えるはずであり、仮に出会えなくともこれだけ自分のことを力強く想ってくれるエマさんがいるのならもうそれ以上何を望もうか。


どうか遠くで、できるだけ元気で、たまに思い出してくれたら嬉しいです。












(そんなの嫌だ‼ エマさんがスイスに帰るなんて…‼ 一生オレだけを想ってて欲しい‼ オレが死んだ後もしばらく…10年以上は引きずっててほしい‼)

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