墓・仏壇・あの世

亡父は、一日遅れで昨日あの世に帰ったらしい。
気配が消えたと母が言っていた。

母「新盆だからね、送り火にゆっくり帰ってくださいって言ったのよ」

ところで、亡くなった人って、お盆以外はどこにいるのだろう?
お墓?仏壇?あの世?

お墓にはお骨があるけれど、
♪そこに、私は、いませんー
って歌われているくらいだから、
いないんじゃないかな、多分。
お墓じゃ寂しいだろうし…
あ、みんながお墓にいるんだったら、にぎやかなのかな?公園墓地だし。
わー、それ、亡父が嫌いそう~

かといって、千の風にもなってない気がするんだよね。

仏壇は、御位牌があるけど…
あれ、亡父かぁ?
なんか、亡父というよりは、通信機な気がする。

私は、亡くなった人は、基本あの世にいるけど、
多重存在が可能で、
同時にこの世にいることができるんじゃないかなー、と、思う。
仏壇は、(あ、俺の事思い出してるな)って、通信機。

母「連れ合いは、亡くなってからも時々いるような気がするものだ、って、
十年前に奥さんを亡くした人が言ってたからー
お父さんも、そんな感じなんじゃない?
去年の今日は、病院から施設に移動した日よね…」

父は、肺がんが転移していたけれど、手術も延命処置も必要ないと言っていた。死ぬ時は死ぬんだと。
医師から、改めて家族の意向を聞かれた時、「延命はしない」としたことを後悔はしていない。

けれど。

母「お父さんはお風呂が好きだったから、」
私「死ぬ前に、お風呂に入れてあげたかったよねぇ」

それだけは、心残りである。

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