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君へ (九歳離れた私の従妹に捧ぐ)

君と出会ったのは
四歳
幼稚園の頃から好きだった

同じ小学校
同じ中学校
同じ高校に通い
大学は別だったね

それでも僕の隣には君がいた
ずっとそうだと思っていた

結婚して
息子が産まれ
息子を育て
楽しい時も苦しい時も
僕の隣に君がいた

四十四歳で君が死んだ

息子の卒業式には車椅子で出席し
息子の入学の前日に力尽きた
息子の受験を気遣って
痛いとも苦しいとも一度も言わずに

君は逝ってしまった

四十年いっしょだった
ありがとう
人生をありがとう

僕は生きるよ
君といっしょだった人生より長く
息子が巣立ち
孫が生まれたら
君の分もかわいがる
できればしわくちゃの手で
ひ孫の頭をなでてやりたい

花を持って墓参りに行く
いつだって
君に話したいことがたくさんあるんだ

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