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死者の表・生者の裏

19年前、私は
「俺、定年退職したら雑誌のカット描いて暮らすんだ」
という夢がありました。フラグでした。

そのころは、イラストを発表したり報酬を得たりする方法が他に考えられなかったのです。ネットの普及で絵を売る方法は様々に広がりました。
そして、私は定年を待たず退職しておりますが、

描いていません。

死亡フラグは私の右手のことでしたので。

職場で勤務中に事故に遭い、そのことでパワハラ受けて退職しました。
右手は事故との因果関係を立証できないのですが、不自由です。

生活にも支障あるので、絵は描けません。

事故のあと、絵を描こうとしてじたばたしましたけど。
諦めて
ショートショートやエッセイを書くようになって
短い方が自分の気持ちにしっくりくるので徐々に詩になり五七五になり

今では川柳人です。

川柳は俳句より決まりが少ないし、
吐いたらあとは読み手が想像してください、ってところがいいですよ。

蝶とまる少し開いてる鰐の口

鰐は口を開けて寝ているのか次の瞬間噛みつくのか?
どっちでもいい。

私は19年前に一度死んだと思っています。
絵が描けない右手。
にもかかわらず生きているのは
表現せずにはいられないからです。


#わたしの舞台裏

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