墓標の街

突然の病が彼らを襲った。それは多分海外からもたらされたもの。免疫力の高い一族が、運んできたのだ。 

彼らは、その病原菌に弱い。感染は、そのまま、死を意味した。あちこちで、仲間が倒れた。 

 長老が、とうとう、宣言した。 

「この街はもうだめだ。生き延びるために、症状の出ていない若い仲間は、他の地域に伝えてくれ。決してこの街に入ってはならぬ、と。感染したものは、すみやかに、ここに来て死すべし、と。この街を我々の病んだ仲間の墓場にするのだ。隔離、それだけが全滅をさける唯一の道。」

渡り鳥がはこんできた鳥インフルエンザ。それはカラスにとって、死の病であった。感染した仲間が群れを離れること、健康な仲間を、この病の伝わっていない地域で生き延びさせること。

賢い彼ら、誇り高き黒い鳥、ハシブトガラスは、ここTOKYOを、死の街に選んだのだ。死骸は生ごみとして、巡回する清掃車が処理していたから。

 「最近、カラスを見ないわねぇ。」 公園の老女がつぶやいた。 

 【完】

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ご購入ありがとうございます! 

せっかくご購入いただいたのですが、続きが何もなくてすみません。 

この作品は、昔、ブログに書いたものです。 

鳥インフルエンザの伝染が恐れられていた初期のころ、東京でカラスの死骸が多数発見されて、鳥インフルエンザではないかと騒ぎになった時期の作品です。 

養鶏場の鳥インフルエンザ被害が深刻な問題になっている今、問題があるかなぁ、と、思って書き直した部分もあります。noteは、情報があまり拡散しないんで、どうだろう、大丈夫かなぁ、と。問題があれば削除するつもりです。

以上で、あとがきに代えさせていただきます。ご購入ありがとうございました。

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