托卵

生まれて最初に「殺し」をやった。

まだ生まれていない卵を全部巣から落としたのだ。そう、私は百舌鳥。

私の親は私を産み捨てた。郭公の巣の中に。私が生きるためには、「殺し」は必要だった。

自分が生んだ仔でもない雛を育てる郭公の愚かさよ。私を育てない百舌鳥の親の薄情さよ。

私は肉親の愛に恵まれない。

やがて、私は巣立った。私もまた、仔を産み捨てるだろう。私の親がそうしたように……。

そして。

義理の親・郭公の実の仔たちが、今も私にまとわりついて、餌をせがむ。成長することの無い雛が、私の生きている間、ずっと……。

「おかあさん、木の枝に虫が刺さっているよ!」

「あれは、『百舌鳥のはやにえ』って言うのよ。百舌鳥は餌になる生き物を、ああやって、とがったところに刺したままにするの。どうしてかしらねぇ……。」 

【完】

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ご購入ありがとうございます!

せっかくご購入いただいたのですが、続きが何もなくてすみません。

この作品は、動物をテーマにした小品のうちの一つです。最近は書いてないですね……。Amazonの電子書籍Kindleの自己出版「あやしうこそブログるほしけれ」は、こんな感じのSS集です。100円です。

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以上で、あとがきに代えさせていただきます。ご購入ありがとうございました。

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