夢の話


私は保険の外交員だ。古びたマンションの階段を、最上階まで上がっていく。その階に訪問先があるのだ。片手には書類ばさみを持っている。契約更新の書類であろう。

ドアを開けると、色とりどりの布きれがたたみにちらかっていて、老女が裁縫をしている。私が行くと「ちょっと待って」と、必要な書類を捜し始めるのだが、見つからないらしく、奥に行く。

やがて、私を手招きして、探すのを手伝ってくれ、と言う。

奥の部屋も布がちらかっていて、そこにもないので、また奥に行く。そこにも布が散らばって…

一体、いくつ部屋があるんだろう、急に私は不安になる。

この建物に、こんな奥行きがあるはずがない。同じような部屋をぐるぐる回っているのではないだろうか。

もう、出口がわからなくなった私は、部屋の隅の古いミシンにそっと付箋を貼る。

ミシンもまた、何台も同じように置いてあるのだ。同じところを回っているなら、付箋を貼ったミシンにゆきつくはず。

気づくと私はひとり、出口をさがすためにミシンに付箋を貼って歩き続けている。もう長いこと歩いているのに、付箋を貼ったミシンにたどり着かない。そんなはずはない…10部屋も20部屋も、このフロアにあるはずがない…

振り向くと。

老女が私の真後ろにいた。

片手にはがした付箋の束を持って…。

【完】

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ご購入ありがとうございます!

せっかくご購入いただいたのですが、続きが何もなくてすみません。

この作品は、夢を書きとめたものです。最近はこういう夢を見なくなってきました。見る時は、毎日少しずつストーリーが進むシリーズものの夢を見たりしていたのですが。

ちなみに今日の夢は、ブルーレイディスクレコーダーを買う夢でした。うちにはDVDレコーダーがあるのですが、DVDスロットが壊れてしまったので買い換えたいのです。その願望が夢に…現実的ですね。

以上で、あとがきに代えさせていただきます。ご購入ありがとうございました。

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