半分以上ウソ「が」書かれたエッセイ

根っからの正直者なので、嘘などついたことがない。
と、いうのがすでに大嘘なのはお約束。
人間は嘘つきだ。

息子曰く「女はウソツキだ」

こんなことを言う息子を育てた母親が嘘つきでないわけがない。

しかし、覚えていない。

正直だった記憶ならある。
小学校の登下校の道が狭くて、時間には小学生で芋洗い状態になるのだが、
そこに進入してきた車が、子どもが邪魔で通れないとクラクションを鳴らす鳴らす
鳴らしたって避ける場所ないよ?
そこで、私は言った。

「うるさあああーい!」

すると、バタンと車のドアをあけて、出て来たのは怖い系のおじさん。
「今、誰が言った!!」
私「ハイ!」

おじさん、相当怒ってたはずなんだけど、可憐な少女に名乗りをあげられちゃって拍子抜けしたらしく、ひととおりの説教をしただけだった。

でも、この記憶本当か?
名乗りはしたが、叫んだのは私か?

記憶はしばしば自分に嘘をつく。

話は大きくとんで、教員時代。あ、言っちゃうよ?

体育科のA教諭が私に「生徒は嘘をつくから騙されるな」と、よく言っていたんだが、私、納得できなくてね。

何故、その生徒は嘘をつかねばならないかの方が重要なのでは?

で、基本、生徒の言うことには騙されることにしていた。
「彼女が出来た」って架空相談もちかけられたことあったな。
他にも、嘘のような本当の話、本当のような嘘の話、
一番困った生徒の嘘は、あれだねー。

生徒が件のA教諭を怒らせるようなことを言ったんだよ。
そして、A教諭が
「誰が言った!?」
って怒ったのだよ。
生徒は、「わに先生…。」

生徒の気持ちはわかる。目の前に仁王のように怒っている先生がいて、誰かの名前を出さなきゃいかん。出しても許してくれそうな人は、ええとええと。

おかげで私は酷い目にあったよ。
A教諭が噛みついてきて。

今なら言うよ
何度も言うよ

普段「生徒は嘘をつく」って言っている奴が、なんで生徒の嘘を鵜呑みにするんんじゃぁーーーーー!!(ノ`Д´)ノ.:・┻┻

保身の嘘がある。
病的な嘘もある。

教員の大多数が、嘘に気付き、
原因がおおよそ思いあたり、
嘘が止められない状態であると認識していても

教員は警察でも精神科医でもない。

その生徒への対応は、非常に難しい。
嘘であることを認めさせるのでは、
心が壊れてしまう場合がある。

ただ、これだけは言える。
嘘は必ずバレる。
嘘が通るのは、相手が騙されてくれるからだ。

と、ここまできて、
私は、私がついた嘘をさっぱり思い出せない。
小さな嘘も大きな嘘も。

嘘を忘れるのは罪だ。

人は、嘘をつくには覚悟が必要だ。
最後まで嘘をつき通すという。

だから、覚悟のない私は、実は不誠実なのかもしれない。

【追記】
あ、お題は「半分以上ウソで書かれたエッセイ」だったんだけど、
これ「半分以上ウソが書かれたエッセイ」になっちゃってるわ。
しまったしまった。
まぁ、競争に参加しているんじゃないから、いいや。

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