プール
校舎の北にはテニスコート。その隣にプールがあった。
だが、水が張られることはなく、夏にも水泳の授業はなかった、と、森田さんは言う。
「なんかね、プールで事故があって死んだ生徒がいて、そのあと、排水溝にひきずりこまれたり、足をひっぱられて溺れる、なんていう事故が相次いで起こったんで閉鎖されたんだって。」
だが、学校を舞台にしたシンクロのドラマの影響で、彼の代に、「やりたい」という声があがったんだと。
自分たちで清掃して、使えるようにするから、ということで、空のプールをデッキブラシで磨いて、いよいよ水を張ったら、見ていた女子が悲鳴をあげた。
プールの中央に長い髪の毛が、ぶぁーっと浮いてきて、そこから水が赤茶色に濁ってきた。
もちろん、シンクロはあきらめたそうだ。
【完】
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ご購入ありがとうございます!
せっかくご購入いただいたのですが、続きが何もなくてすみません。
この作品は、実際にインタビューした内容を元に、フィクションとして構成しています。「実話怪談」のジャンルに入るのだと思います。私は一時期怪談に凝っていまして、色々応募もしたのですけれど、これはブログに書いたことはあるけれど応募はしていないはずの作品です。(もっとも、応募歴のある他の文章でも全て落選しているので、ここに載せても問題はないのでしょうが。著作権が著者に帰属すると明言している公募しか応募していないので。)
noteの「投げ銭式」利用法は、こうやって模索しているところです。
以上で、あとがきに代えさせていただきます。ご購入ありがとうございました。
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