10:noise
ー『アイツの下で働いていた数年間、何度も何度も帯状疱疹になった。
悪魔の様な笑い声が、オレの耳を突き刺した
参ったよ、精神科に通っても原因不明という診断結果しか出されなかった』
『だからと言ってお前、取り返しの…『気にしない事にしたんだ、少なくともオレがあそこで働いている間は。誰のせいでもなくただの巡り合わせだと言い聞かせる事にした』
『ボボンガ話を聞け、お前がやった事は…『犯罪を完全に防ぐ事は出来ないが、刑罰は抑止力になるのと同じ様に、こんな頭がイカれた奴が世の中に居るんだと分かれば、少しは悪魔の声を聞くヤツらも減るだろ。善悪は変わらないが、残念ながら猟奇的事件やそれに纏わる悲劇は世界を変える』
『危険だ、危険すぎる。お前の様な考えの人間が増えてみろ、あっと言…『増えたとしても数%程度だろう、殆どが踏み止まる。そしてブームの様に忘れ去られていく、しかし歴史に刻む事が出来れば、それを繰り返してはいけないと漸く世界は動き出す。それが教材なのか、慰霊碑なのかは分からないが』
『どんな人間にも家族は居るんだぞ、加害者だろうと被害者だろうと。仲間や愛してくれる人だって居たはずだ。そう言った人たちが悲しむ姿を見て、お前はどう思う?何を言える?』
ボボンガ•フランクリンは優しく微笑み
『こう伝えるだろう。
大丈夫、全てはノイズに過ぎない』
つづく–––
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