笠原さつき

大学3年生。 2023→ https://note.com/kirjanmerkki

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最近の記事

「建前と本音」2024/09/23

4‐1 ・一人暮らしをしている。 土曜日の昼間、宅配便の予定などないのにインターホンが鳴り、話を聞くと電気料金に関する説明だったため、ドアを開けた。 ・わたしはこの家に引っ越してきたばかりだった。なので今話している人も、用件は電気の契約確認なのだろうと話し半分に聞いていたのだが、話がまとまった頃に新たな契約書を提示された。 そこでようやく「あぁこの人は今契約しているプランを乗り換えさせようとしているんだ」と合点がいった。 ・その日は暑かった。 アパート中を訪問していたの

    • 「空想を具現化する難しさ」2024/08/13

      3-1 ・「ジブリパークとジブリ展」を訪れた。 最寄りの天王洲アイル駅は未踏の地だったが「アートのある島」を掲げている通り、道端のマンホールや植木の1つ1つに先進的なイラストが描かれていた。 ・モノレールに乗らないと行けないような、ごく限られた範囲に商業施設やマンション、オフィスビルが集中している様子が都内では珍しいように感じられて、歩き心地が良かった(東京は人間が歩くには広くなりすぎていると思う)。 3-2 ・展覧会の拠点である「寺田倉庫 B&C HALL」は、土地

      • 「おぢか島便り(後編)」2024/07/01

        2-1 ・6月から長崎県・五島列島に属する小値賀島に滞在して以降、あっという間に1ヶ月が経ってしまった。博多へ向かうフェリーの道中、この文章を書いている。 ・朝7時に船の汽笛の音とともに起床し、12時過ぎまで客室の清掃をする。 晴れた日は海辺まで自転車を漕ぎ、夜は夕食の配膳を手伝った後、美味しい魚に舌鼓を打つ。 小値賀での仕事、7月からの自身の生活、そしてもちろん島での観光を満喫しているうちに、飛ぶように時間が過ぎていった。 ・そこで、今日は博多までの約4時間、小値賀と

        • 「おぢか島便り(前編)」2024/06/14

          1‐1 ・ジリジリと音がしそうな太陽、境界が分からないくらい青い空と海。 雄大な自然に囲まれた長崎県・五島列島の一つ、小値賀(おぢか)島からこの文章を書いている。 ・5月半ばに帰国し、最初に思ったことは「これからどうしよう?」。 休学中なので9月まで学業に勤しむ必要はない、上京していた時に住んでいた家も解約済み。バイト先だって一応退職扱いになっているし、かといって就活に全力投球するというのも、何か違う気がする。 ・そんな時にふと思い当たったのは「おてつたび」だった。

        「建前と本音」2024/09/23