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恋の中

「私はマカロニグラタン」   

「僕はカルボナーラで」

 私は今池袋で彼氏とデートしている。彼氏は私の心の寂しさに気づいていない。かなり鈍感だ。でも、彼は私のことをいつだって可愛いと言ってくれる。そんな彼が好きだった。彼のそばに居られることがとても嬉しくて彼に染まっていく自分が好きだ。

 ランチを済ませ予定通り水族館に行く。雨が降っていたので二人で私の傘に入って水族館まで移動した。水族館の空間は幻想的でゆっくりと時間が進み、夢をみている感覚だった。居心地がとても良くずっとこの場所にいたかった。

「足疲れたでしょ、ここのベンチで休もう」

彼が気をつかって私を座らせてくれた。

気遣ってくれる…

それだけで嬉しいはずなのに、会えるだけで嬉しいはずなのになぜか満たされない。

浮かない顔をしながら、水族館から出る。手を繋いでいても満たされない。

ディナーは駅ビルの屋上にあるいい感じの場所の屋台で小籠包を食べた。あっという間の一日だったと思い返す。池袋からは彼の家の方が近いから彼の家に泊まった。

朝を迎え、帰りの支度をする。学校がなければずっと一緒にいれたのに、、少しでも彼に私のことを考えてほしい。だから、傘をわざと忘れることにしました。

次会うための口実にもなるしね♪

帰り道私はずっと彼のことを考えていた。彼はしっかりしていて自立している。きっと私がいなくてもうまくやっていけるだろう。彼はデートの別れ際かなりあっさりしている。別れた後、一回も振り返らずスタスタと帰るタイプの人だ。その度に私の心に少しだけ不安を残す。彼が何を考えているか私にはもう分からなくなっていた。

なんとなくイヤフォンをして音楽を聴き始める。有名になる前から知っているバンドの歌を聴きながら私の心の中の感情を溶かしていく。

なんで、私ばっかり、、、

私の寂しさに気づいてくれないならもういいや、

あなたの隣は私じゃないから。

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