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東大日本史解答 2021年度

今回は一番新しい2021年度東大入試の日本史の解答です。

もし解説の要望があればその投稿もします。

1.古代

解答例 

当時法典編纂、官僚制度や儀式の整備、大学別曹の充実で統治機構が安定した。一方、皇位は嵯峨天皇の直系による継承が一般化し、上皇の政治関与も無くなった。しかも藤原北家が他氏排斥の一方で天皇の外戚として摂政を務め、天皇の職務を代行するので政府中枢を担う氏族も固定化し、天皇の政治能力は問われなくなった。


2.中世

解答例

A荘園では地頭などが開発を進めており、領主は検注によって開発で増えた土地を把握でき、その分だけ多くの年貢が取れるから。

B地頭は地頭請で領主から下地支配を任されたため、自分の判断で耕地を開発できた。しかも幕府の方針で検注要求も拒否できるため、地頭は独自に荘民支配を強め、自らの得分を確保できた。

3.近世

解答例

A年貢の頭打ちと米価安、金銀山の枯渇に伴う貨幣発行高減少で収入が減る一方、物価高や江戸復興費用、放漫財政で支出が増えた。

B幕府は多くの年貢収入が見込める酒匂川下流には手間と時間をかけ、年貢収入が見込めない上流にはかけなかった。そのため上流で処理できなかった砂が下流に流れ込み、下流の対策を無効にした。


4.近現代

解答例

A華族の有資格者が国家に偉勲あるものに拡大された。それは1890年に開く帝国議会に華族ならなる貴族院を設置し、その議員に新たに華族となった政府要人を配して衆議院に対抗するためである。

B高橋は第二次護憲運動を主導して党勢拡張と党内求心力強化を狙い、衆議院議員転身を図るが、そのため規定上まず貴族院議員辞職が必要で、辞職と衆議院議員立候補のためには隠居が必要だった。


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