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樋口婚(切腹婚)のすすめ#7抜けだせない婚活地獄

樋口婚(切腹婚)のすすめ#7抜けだせない婚活地獄。

この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り、幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。


※今回は婚活体験について、当時の出来事と思ったことをありのまま書いてあるので、もしかしたら嫌な気持ちになる方もいるかもしれません。ごめんなさい<(_ _)>

こんな事もあるのね~こんな事考える子もいるのね~と、暖かい目で見ていただけたらうれしいです。







自慢じゃないが、私は今までの婚活パーティーでは、どちらかというとモテてきた方だと思う。

婚活パーティーは一般的に、気になる人に自分の連絡先を渡すことができるのだが(大体一人3枚まで)
連絡先を1枚も貰えなかったことが、今まで一度もなかった。

そして歴代の彼氏5人のうち2人は婚活パーティーでゲットできたという実績もある。


30代初めまでは婚活パーティの女王(その称号が名誉なのか不名誉なのかはさておき)として周りからは認知され、調子にのって自分で婚活パーティーを企画したり、色々相談も受けてきた。


そんな私が学んだ婚活パーティーで最も大事なのは
「会話が盛り上がること。」

これは会話の引き出しの数が物を言う。


パーティー前、会話が楽しくなるようにと、コテンラジオの中で男性が好きそうな明治維新関係の回を復習聞きした。

これで会話の引き出しもばっちりだ。

ちなみに「清潔感」と「笑顔」は、男女とも当たり前の初期装備である。

これが無ければ戦場に立つこともできない。



そう、私にとってもはや婚活パーティーは戦場だった。

結婚相手をGETできなきゃ切腹なのだから。

気分はもはや戦国武将。



いわゆる男受けする格好に、髪もキチンと整え、いつもよりも念入りにマスカラをつけて

今年1回目の婚活パーティー会場へと足を運んだ。


コロナ渦ではあったが、だからこそ皆出会いがないからか、婚活パーティーは女性16男性15となかなか繁盛していた。

連絡先をくれた人はどんな人でも全員会うと決めていた私は、心の中でガッツポーズをした。

『よし!15人もいれば絶対いける!まあ3人は貰えるやろ!』


・・・にしても、この会場の中で、何人の人が「死」を意識しながら婚活してるんだろう。


たぶん私だけだ。



「・・・という流れになっております!会話の時間は8分です!それではお一人目の方とお話を開始してください~(*^_^*)」

司会の軽快な合図とともに、第一戦がはじまった。


マスクを一瞬外し挨拶だけ行い、またマスクをつけて透明のボードの向こうの男性とプロフィールカードを交換する。

このプロフィールカードには

「氏名」「年齢」「出身地」「現在地」「職種」「趣味」「家族構成」「結婚歴」「子供の有無」「好きなタイプ」「好きな旅行先」等が書かれている。

ちなみに男性のカードには年収と好きな食べ物、女性のカードには結婚後の仕事体制の希望(専業になりたいとか、仕事を続けたいとか)と得意料理をかく欄があった。


いやいや、時代錯誤も甚だしいな!!!!


と、今なら思うが、これが現実だったし、当時は必死すぎてそんなこと考えもしなかった。

普通に得意料理にオムライスって書いた。

そして趣味の欄には、ここぞとばかりに「ラジオ」と書いた。
ちなみに趣味欄はシンプルな方がいい、質問しやすくなるから。


そして思惑通り、全ての男性が「ラジオ」に食いついた。

その流れでコテンラジオの話になり、歴史の話になり、各々の8分間はあっという間に過ぎていった。

なんなら内2人はその場でコテンラジオをフォローした。


「それでは、連絡先カードに、カードをお渡ししたい方の番号を書いて下さい~集計してお相手にお渡ししま~す(*^_^*)」


いいぞ、良い感触だ。皆盛り上がるし、まだ話したいような雰囲気もあったし。


連絡先カードが入った封筒を渡され、中を確認した。




『・・・・・・え?・・・・・・』




1枚も入ってなかった。

めっちゃ確認したけど、1枚も入ってなかった。

うそやん、だって、皆あんな楽しそうに話し・・・ん・・・・・・?




あっ・・・・・・





私、コテンラジオの話しかしてない。




しかも相手の歴史知識を上回って話してた。

これじゃあタダの話かぶせてくる歴史オタクだ。
そりゃモテないわ。

その上、番組フォローしてもらってなんか満足してた。

ファンとしては100点だけど、婚活女子としては0点だ。

さらに、最後の男性がこんなことをいっていた。

「君がこの中で一番年上やね~」

今回予約したパーティーの設定年齢は、26歳~36歳までだった。

周りを見ると、正直自分よりも年上にみえる子もたくさんいたが、大事なのは実年齢ということか。



「聞く力」がいかに大事か、そして婚活パーティーで最も大事なのは実は「若さ」だった。


ここは電車が走らないどころか自動改札機が県内どこにもない田舎徳島。

空港には「何にもないがある」と書いた幕がと堂々と掲げられていた田舎徳島。

コテンラジオでいくらリベラルアーツを学ぼうが、田舎の婚活市場では「若さ」こそ勝利なのだ。

しかも8分間で人間の何が伝わるというのだ!!!
(完全に逆ギレです、すみません)



よし、今度はコテンラジオの話だけじゃなくて、色々話そう、聞こう。

年齢は変えられないけど、態度なら変えられる!




・・・・と、意気込んだ次の婚活パーティーでも、封筒は空っぽだった。


32歳までは普通に連絡先貰えてたのに・・・・

35歳から一気に人気がなくなるとは聞いていたが、これほどとは。


モテるから結婚できるとも限らないけど、橋にも棒にもかからないのは本当にまずい。

危機感を感じ、アプリでもマッチング(アプリ上でお互いが気に入った場合マッチングとなり、アプリ上で連絡をとれるようになります。)した人と会う話をさくさく進めていたが、3人中2人がヤリもく、1人は結婚する気がないという残念な感じに嫌気がさし、2月の終わりには退会してしまった。


その次も、そのまた次も、間に挟んだコンパも

全然うまくいかず、選ばれない敗戦の日々がつづく。


予想以上に自分の市場価値の低さを叩きつけられ、またむくむくと、あの呪文が頭をよぎるようになってしまった。



「私は誰からも愛されない」



(続く)


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